ミス・ワールド大会がテーマの注目作
1970年にイギリスのロンドンで開催されたミス・ワールド大会では、ある出来事が起こったことをご存知? 当時、全世界で超高視聴率を記録していたミス・ワールド大会だけれど、それは女性を顔や体型で競わせ、判断するもの。
そんなエリック・モーリーが創設したこの大会で、フェミニストたちが抗議活動を起こし、様々な変化をもたらした。その実話を元に、実在の人物サリー・アレクサンダーを主役に、女性たちの熱い思いをコメディタッチで描いた映画が『Misbehaviour(原題)』。
本作の主役は、自身もフェミニストとして知られるキーラ・ナイトレイ。また、エリック・モーリーの妻で、彼の死後、ミス・ワールド・オーガナイゼーションのCEOを務めているジュリア・モーリーをキーリー・ホーズが、黒人として初めてミス・ワールドに輝いたグレナダ代表のジェニファー・ホステンをググ・バサ=ローが演じる。
そして監督は、イギリスの人気ドラマ『コール・ザ・ミッドワイフ ~ロンドン助産婦物語』やNetflixドラマ『ザ・クラウン』などでメガホンを取ってきたフィリッパ・ロースロープ。
女性を外見で判断する、果たしてこれって過去の話?
作品が舞台としているのは、50年も前の話。しかし、女性が外見で判断されるのは、果たして遠い昔の話と言えるだろうか? キーラは、豪Stellarのインタビューで、その苦い思いを滲ませた。
「脚本を読んで、フェミニズムの第2波に普通に完全に共感した。一方で、私が1番稼いだのは(高級ブランドのシャネルの)モデルとして。10点満点で採点されるレッドカーペットに行って、カメラで身体の上から下まで撮られる。それは、現代で女性として生きるうえでの複雑さだと思う。女性は男性より稼げる1番の、そしてたった1つの職業はモデル。もしくは性風俗。その事実こそ、若い女性にすべてを物語っている。あなたの外見は、あなたが言わなければいけないことや、あなたが考えていることより重要だと。それが、私たちがいまだに生きている世界」
長きにわたる女性たちの闘いを見ることができ、そして、これからへ思いを繋げるきっかけとなりそうな『Misbehaviour』は、2020年3月13日にイギリスで劇場公開となったけれど、新型コロナウイルスの影響で、その直後に各地の映画館が閉館に。その数ヵ月後、イギリスとアメリカでデジタル配信となった。
日本には未上陸だけれど、見られるようになることに期待。(フロントロウ編集部)