『スター・ウォーズ』レイ役のデイジー・リドリー
映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』からなる『スター・ウォーズ』続3部作は、デイジー・リドリー演じるレイを主人公にした新世代が活躍する。
デイジーは、本作に起用される前はアルバイト生活をしており、キャスティングされるまでは『スター・ウォーズ』についても詳しく知らなかったという。しかし本作への出演によって一躍スター俳優となった。
そんな彼女が、『スター・ウォーズ』シリーズおよびディズニーを批判した政治家に、さらりと言い返すという出来事があった。
保守派政治家が『スター・ウォーズ』を批判
ことの発端は、『スター・ウォーズ』シリーズのスピンオフドラマである『マンダロリアン』でキャラ・デューンを演じていたジーナ・カラーノが解雇されたこと。彼女は以前から、トランスジェンダーの人々をからかう発言や、新型コロナウイルスのパンデミックに際してマスク着用を揶揄する発言、2020年アメリカ合衆国大統領選挙で自身が支持するドナルド・トランプ大統領が落選したことについて、選挙で不正があったと根拠なく主張するなどしていた。
その後、2021年2月に、アメリカの政治情勢を、ナチス政権下のドイツで迫害されたユダヤ人と例える投稿をしたことが決定打となり、『マンダロリアン』を制作するルーカス・フィルムから解雇された。
そして、それに反応したのが、LGBTQ+の権利や女性の中絶などに反対である、強硬な保守派で有名な共和党のテッド・クルーズ議員。テキサス州選出のクルーズ議員は、ジーナの解雇について、ツイッターにこう投稿していた。
「テキサスのジーナ・カラーノは、『スター・ウォーズ』シリーズにおいて壁を壊した。プリンセスでなく、被害者でなく、感情に苦しめられているジェダイとかでもなく。彼女はかっこ良い、少女たちが目指す女性を演じた。彼女はふたたび『スター・ウォーズ』を楽しいものにするために必要だった。もちろん、ディズニーは彼女をキャンセルした」
ジーナが演じたキャラ・デューンの魅力と、ジーナがプライベートで起こした行動は別問題だが、クルーズ議員は、ジーナが解雇になったのは、昨今議題にのぼるようになった“キャンセル・カルチャー”だと言いたげな様子。
そしてそんな彼の言動について、デイジーが、米Yahoo Entertainmentのインタビューでシンプルに反論した。
レイ役デイジー・リドリーが反論
クルーズ議員の発言については、インタビューで質問されるまで知らなかったというデイジー。しかし、「感情に苦しめられているジェダイ」とは、彼女が演じたレイのこと指していると予想できる。そこでデイジーは、こう答えた。
「感情に苦しめられているジェダイで良かった。その人は自分の州が酷い困難に陥っている時に、そこを去るなんてしないから」
じつは、クルーズ議員が選出されたテキサス州は、2月にひどい寒波に襲われた。その影響から一時は330万の世帯や事業者で停電が起き、さらに水の処理施設が停止したり水道管が破裂したりしたため、電気も水も使えないという状況に。そして一部で火を焚いた人々が一酸化炭素中毒で亡くなり、凍死した人も確認されるなどの事態に陥った。
クルーズ議員もラジオ番組で、市民に自宅待機を呼びかけたのだけれど、なんとその翌日、リゾート地であるメキシコのカンクンにバカンス旅行! あまりに無責任な行動に、辞職を求める声が高まった。
そんな背景があり、デイジーは、『スター・ウォーズ』およびレイを批判したクルーズ議員に対し、闘うレイというジェダイで良かったという短くも強い反論をした。
デイジーの発言に対して、クルーズ議員は反応していない。(フロントロウ編集部)