サラ・エヴァラード事件にナタリーが口を開く
イギリスのロンドンで帰路についていた女性サラ・エヴァラードが、ロンドン警視庁の現職警察官に誘拐・殺害された事件をきっかけに、多くの女性、そして男性が声をあげている。
とくに、事件を調査していた警察が女性たちに夜に出歩かないよう言っていたことで、これまで多くの女性が経験してきた、加害者側の男性でなく被害者側の女性の行動が制限されることへの批判が高まった。また、女性であるだけで、毎日の生活のなかでどれだけ男性のターゲットになっているかを語る声も大きくなっている。
そんななか、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のミッサンデイ役や、『ワイルド・スピード』のラムジー役などで知られるナタリー・エマニュエルも、自分が経験してきた性的嫌がらせをツイッターで明かし、思いを綴った。
ナタリー・エマニュエルの発言に多くの女性が共感
人生において(女性を)ターゲットにした男性の行動を多く経験してきたと話すナタリーは、10歳前後で露出狂に遭遇した経験があるという。また、14歳で祖父母のところを訪れた時にも男性にハラスメントをされ、さらにその男性は、ナタリーの母親が止めに入っても彼女をつけまわし、祖父がナタを持ち出すまで続けたという。
お尻を触られたこと、スカートの中に手を入れられたことは数えきれないとしたナタリーは、21歳の時に2人の10代の少年にスカートの中に手を入れられ、少年たちはそれを面白いことだと思っていたと指摘する。また、歩いている男性や車に乗っている男性に追われることは、非常に普通のことだとした。
また、俳優になったあとには、オンライン上で彼女を性的なモノとして扱うユーザーもおり、ブロックしてもアカウントを作り直されて、ハラスメントは続いたという。そしてナタリーは、女性はこれまで長らく声を上げてきており、今は男性たちが自分たちの行動を変える時だと綴った。
「(女性を)標的にした男性の行動は、女性たちを疲弊させているし、それは女性が若いうちから知ること。女性たちはそれについて声をあげ続けることはできない…。男性が自分自身の行動を、他の男性や男の子の行動を見直すという段階にならなくてはいけない。私たちは疲れてる
“道で女性にヤジを飛ばすことや女性を追い回すことはレイプや殺人と同じじゃない”と言う人もいる…。でもこれらすべての状況に当てはまることはある…。男性は自分の欲望や性癖を、女性の安全や平和、尊厳、健康よりも優先してる。
性差別やミソジニーが社会に深く根づいているせいで、女性よりも大きな権利が教えられてしまっている…。イエス、そのような行動は暴力的/命を奪うものではない…。でも、私の意見では、それは同じ種から発生してる。そして、雑草を取り除く時が来た。
あの“ノット・オール・メン(すべての男がそうじゃない)”っていうやつは、私には効かない…。ありがとう。ブロックボタンにある私の指は温まってて、準備万端…。今週は、そして今後も、キツすぎる。サラ、そしてその命を、その声を盗まれたすべての女性たち、安らかに眠って」
ナタリーの経験談に、ほとんどの女性が共感するか、少なくとも驚きはしないだろう。行動を変えるべきは、誰なのだろうか。
サラの事件をきっかけに、男性からも自分たちの行動を見直そうと呼びかける声があがっている。俳優のサイモン・ペッグは、「女性たちは常に、性被害を避けるためにガイドラインのようなものを与えられているように見える。サファリパークに行った時に与えられるように。違いは、この世界は、猿にクソッタレなゲス野郎でいるのを止めろって直接言えるサファリパークってことだ」と語っていた。(フロントロウ編集部)