ザック・スナイダー監督が、マーベルのMCUと、DCのDCEUの違いについて語った。(フロントロウ編集部)

アメコミのユニバース作品群

 アメコミを映像化した作品はこれまでに数多く生み出されてきたけれど、同じ世界観を共有した様々な作品が作られ、時には多数のスーパーヒーローや悪役が共演するという現象は、2000年代後半から盛り上がりを見せた。

 マーベルコミックスのキャラクターたちからなるMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)と、DCコミックスのキャラクターたちからなるDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)。この2つは、それぞれ多くのファンを持つ。

MCUとDCEUの違い、スナイダー監督の思い

 同じアメコミ原作のユニバースだからこそライバル関係であり、ファンの間でも“どっち派”なんていう会話が生まれることもあるMCUとDCEU。

 そんな2つの“違い”について、DCEU作品の多くで監督を務めたザック・スナイダーが、米New York Timesのインタビューで語った。

画像: ザック・スナイダー監督(左)とDCEUのキャストたち。

ザック・スナイダー監督(左)とDCEUのキャストたち。

 「(マーベルの)キャラクターたちや彼らの神話を真剣に捉えている。登場人物たちは、あの世界に存在しているキャラクターとして認識されてほしい。自分が楽しむために彼らを犠牲にするのは良くないね。そして、僕たちには僕たちのヴィジョンがあった。完璧な世界観で、確立されたもので、私たちは本当にそのまま行きたかった。

 『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』の前に、『マン・オブ・スティール』を作っていた時から、マーベルが何か別のことをしているのは知っていた。彼らは、あの大人気アクションコメディに全力を注いでいた。そして成功した。あれを真似ようとするのはバカげた話だ。だって彼らはとても上手いから。

 DC(コミックス)がやっていたのは神話を巨大なものにするということで、私たちはそれを、この(映画シリーズの)素晴らしい旅に連れ出すところだった。正直に言って、そう言っていたのは私だけだったけれどね」

画像: MCUとDCEUの違い、スナイダー監督の思い

 マーベルへの敬意、そしてDCのプライドを見せたスナイダー監督は、DCEUをMCUのように作ろうとしたことは一切ないという。彼は、監督の在り方について、こうも語った。

 「自分の方法以外で、ボールを打つ方法を知らない。監督というものは、1つのスキルを持っているものだよ。自分の視点、というね。持っているのはそれだけだ。もし君が別の方法で映画を作ろうと真似をしようとしているのなら、君は悪い方向へ向かっている」

 そんな監督は、2017年に公開された『ジャスティス・リーグ』の制作中に、家庭の理由で途中降板。しかし後任のジョス・ウェドンによるものに納得のいかなかったファンから、スナイダー監督版を熱望する声が大きくなり、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』の制作と配信が発表され、ついにアメリカでは、2021年3月に公開。日本でも、2021年初夏にリリース予定となっている。(フロントロウ編集部)

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