クロエ・カーダシアンの「未修正写真」が流出
現在アメリカで放送されているシーズン20をもってついに14年間の歴史に幕を下ろすリアリティ番組『カーダシアン家のお騒がせセレブライフ』に出演するカーダシアン/ジェンナー家の姉妹たちといえば、それぞれ美に対して並々ならぬこだわりを持つことで知られる。
SNSなどを通じて見せる、そのあまりにも完璧な姿から、ときには「美しさに関する歪んだ価値観を世の女性たちに植えつけている」と批判されることもある彼女たち。
そのなかでも、日頃から、写真や動画の過剰な加工・修正が頻繁に指摘されてきたのが三女のクロエ・カーダシアン。
クロエがインスタグラムで新たな写真や動画を公開するたびに、「実物と違いすぎる」「こんな顔or体じゃないはず」とユーザーたちから厳しいツッコミが殺到するというのが、もはやパターン化していたが、先日、まったく修正を加えていない、ありのままのクロエの水着姿の写真がネット上に流出するという出来事があった。
流出した写真の「抹消」に奔走
イースター(感謝祭)の週末を家族と過ごしていたクロエ。滞在先のプールサイドで撮られた、ほぼすっぴんに見える彼女のビキニ姿の写真がSNS上に投稿されたのだが、この1枚は、いつもクロエが自分で公開する写真とはだいぶ様子が異なり、くびれが強調されておらず、肌の質感もごく自然で、画像編集アプリやフィルターによる加工がくわえられていないことが一目瞭然だった。
ツイッターやインスタグラムでこの写真が拡散されると、クロエがついに“ありのままの姿”を公開したと騒ぎに。ナチュラルで親近感が湧く風貌には、「今まで見たクロエの姿のなかで一番美しい」「こっちのほうが絶対にいい!」と好感を示すコメントが相次いだ。
しかし、クロエにとって未修正の写真が世に出てしまったことは不本意だったようで、カーダシアン/ジェンナー家のチームは慌ててネット上から写真を抹消するために奔走。クロエの未修正写真をシェアしたSNSアカウントに通達を出すなどして、“無かった事”にしようとした。
「ありのままの姿」を抹消しようとしたことに批判
ありのままの自分を愛する「ボディポジティブ」をテーマにしたブランドGood American(グッド・アメリカン)を展開しているクロエ。しかし、自身の未修正写真の拡散を必死になって食い止めようとする様子は、彼女がブランドを通じて訴えようとしているメッセージとはあまりにも食い違っていると批判が集まった。
クロエの未修正写真の流出元には諸説あり、もっとも濃厚なのは、休日を一緒に過ごしていたカーダシアン姉妹の祖母MJが、クロエに確認せずにSNSに投稿してしまったという説。
しかし、クロエの姉キム・カーダシアンが監修するコスメや香水のブランドのマーケティング部長は、米Paige Sixなどのメディアに対し、「プライベートな家族との集まりで撮影された、色調編集されたクロエの写真が、アシスタントの手違いにより、本人の許可なくソーシャルメディアに投稿されてしまいました。写真のクロエは美しいですが、画像の所有者には、公開の意図がなかった写真の取り下げを求める権利があります」と代理で声明を出して説明した。
クロエが「未修正写真」を公開して本音を明かす
矛盾を感じる行動が物議を醸すなか、クロエがインスタグラムで騒動に関する胸中を告白。加工や編集を施していないという複数の動画や写真を公開し、これまでずっと自分の容姿に対する人々からの誹謗中傷に悩まされてきたと語り、“自分が世間に見せたいイメージは自分が選ぶ”と長文のメッセージを添えた。
以下、クロエのメッセージをフロントロウが全訳。
どうも、みなさん。これが加工や編集やフィルターをくわえていない私の体です。今週SNSに投稿されたあの写真は美しかった。でも、人生を通してずっとボディイメージに悩んできた人間としては、今までここまで来るのに散々努力してきたのに、照明が良くないところで撮られた本来の自分の体を写したものではない写真が世界中にシェアされてしまうなんて不本意だった。そういう場合、あなたが誰であろうと、公開を止めようとする権利がある。
正直言って、私がこれまでずっと受けてきた、自分の見た目に対する世間からの絶え間ない嘲笑や批判、他人が設定した基準を満たさなくてはというプレッシャーは耐え難いものだった。「クロエは姉妹の中で一番デブ」「クロエが姉妹の中で一番ブサイク」「クロエの父親は本当の父親じゃないんじゃない?(姉妹たちと)見た目が違いすぎる」「あんなに体重を減らせるなんて、整形手術をしたに決まってる」。もっと例を挙げるべき?
裕福で何不自由ない家庭で育った私の気持ちなんて誰も考えてくれない? リアリティ番組に出ているんだから、(世間にあれこれ言われるのは)あたりまえ? 私は同情を求めているわけじゃない。ただ、私も1人の人間だと解かって欲しいだけ。
私は完璧なんかじゃないけど、自分の人生をできるだけ正直に他人への共感と親切心を持って生きようと毎日努力してる。間違いをおかしたことがないわけじゃない。でも嘘はつかない。世間が自分に課した到達不可能な基準に見合うように生きるようとするのは、もう耐えられない。
もう10年以上、私の写真は小さな欠点や不完全さを細部まで分析されて、からかわれてきた。そのたびに私は、毎日のように自分の欠点を思い知らされてきた。それでも、私は、世間からの批判をモチベーションにして人生で一番ベストな体型を手に入れようと奮闘した。そして、同じような悩みを抱える人たちの力になろうとしてきたのに、世間からは、自分で努力したんじゃなく、お金を払って手に入れたんだろうと言われるなんて。
他人から批判されたり、酷評されたり、醜いと言われたりすることに慣れる日なんて決して来ない。でも、そういうネガティブな意見をずっと耳にし続けると、自分でもそうなんだと信じ始めてしまうの。
これは、私がありのままの自分では不十分で美しくないんだと感じるようになってしまったという一つの例。
私は(写真を撮るとき)フィルターを使ったり、上手に照明を当てたり、ところどころ編集するのが好き。メイクをしたり、ネイルをしたり、ハイヒールを履いて、世間にこう見られたいという自分になるのと同じようにね。だからこれからも、悪びれずに続けていく。
私の体。私のイメージ。自分をどう見せたいか、どんな自分を見せたいかは、すべて私の自由。これからは、何が好ましいかは、ほかの誰でもなく私が決める。
自分は完璧じゃないというプレッシャーを感じ続けているみなさん、私にはあなたのことが見えているし、あなたの気持ちが理解できる。私を愛してくれる家族や友だちは、毎日、私のことを美しいと言ってくれる。でもそれを信じる気持ちは内側から来るもの。どんな自分を見せることを選んだとしても、私たちはみんな、自分らしい個性と完璧さを持っている。私は、他人が設定した完璧さの型にハマろうとする人生を送り続けることなんてできないと気づいた。自分の心がハッピーでいられるように、自分らしくいこう。
クロエの苦悩を目の当たりにしてきたキムは、クロエの投稿に「クロエ、愛してる」とシンプルにコメントして応援。妹のケンダル・ジェンナーも「イエス! 美しくて、強くて、ヘルシーなクイーン」、カイリー・ジェンナーも「あなたのことをすごーく愛してる」とコメントを寄せた。
一家の母であるクリス・ジェンナーは、「あなたは、私が知るなかで最も親切で愛にあふれていて、他人を支えようとする美しい心を持っている。あなたを愛しているし、すごく誇りに思う。あなたは私たちにとってインスピレーションの源」などと綴っている。(フロントロウ編集部)