ベラ・ソーンが「フェミニズム」をめぐる負のイメージに苦言
ディズニー・チャンネルのテレビドラマシリーズ『シェキラ!』でブレイクを果たし、現在は、俳優として米Amazon Prime Videoのドラマ『パラダイス・シティ』に出演したり、2019年にポルノ映画『ハー&ヒム(Her & Him)』で監督を務めたりと、幅広い分野で活躍しているベラ・ソーン。先月には、シンガーとして新曲「Phantom」もリリースした。
シンガーのマリーナ・モイエが参加した新曲「Phantom」は、男性の恋人とのトキシック・リレーションシップ(有害な関係)を歌った楽曲となっていて、「彼は私を物だと思っていたんだけど、そんなのお断り」などといった歌詞が歌われている。
この曲には、「私は男が憎いわけじゃない/卑怯者とは違う、信頼できる男性が欲しいだけ」という歌詞も含まれているのだけれど、ベラはその理由について、米Nylonとのインタビューで「『フェミニズム』という言葉に、悪い意味合いを含める人がいるでしょ。素敵な言葉なのにね。ある日突然、自分をフェミニストと名乗ることが怖くなってしまうの。『君は男が憎いんだね』ってみんなから見られてしまうような気がしてね」と語り、“フェミニスト”という言葉に“男性嫌い”というイメージを持つ人がいるため、そういう人たちに向けて“男性が嫌いなわけではない”と示すためだと説明。
「Phantom」に込めた思いについては、「これは、『そんな(自分にとって有害な)男たちはクソ食らえ!私の生き方を指図してくるのにはもうウンザリ』って思っているすべての女の子たちに向けて作った曲なの」と説明して、あくまで、楽曲の対象は自分にとって有害な相手だと語った。
フェミニズムはネガティヴなものではないとベラ
フェミニストとは、あらゆる人たちが平等の権利を持つべきと考えている人たちのことで、英オックスフォード辞書には、「女性にも男性と同じ機会や権利を与えられるべきという考えを支持する人のこと」と定義されている。
つまり、男女が平等な権利を得るべきだと思っている人ならばフェミニストだということ。そしてもちろん、フェミニストは女性だけでなく男性もなれるもの。
ちなみに、シンガーのテイラー・スウィフトは以前、英Guardianとのインタビューで、「フェミニストであると言うことが、男女が平等な権利とチャンスを与えられることを願っているということだって、10代の私は知らなかった。(フェミニストという言葉が)社会の中で使われているのを見て、男性を嫌うことだと思っていたのです」と、かつてはフェミニストという言葉に“男性を嫌う”という意味が含まれていると勘違いしていたと明かしている。
今でも、「フェミニスト=男性を嫌う人」という偏ったイメージを持つ人も一部にはおり、ベラは米Nylonとのインタビューで、「地球上には1人も男性がいるべきではなく、全世界を女性が支配するべきであり、男性は絶滅するべき」という、一部の誤ったイメージについて、「そういうことを言っているわけではない」と指摘した。
また、ベラは英NMEとの別のインタビューでも、フェミニズムをめぐる誤ったイメージに苦言を呈しており、「フェミニズムという言葉に、ネガティヴな意味合いを持たせてしまう人たちには頭に来るよね」と批判した上で、「フェミニストはただ、平等な賃金と、自分らしくある権利、検閲されない権利、レイプされる不安なく道を歩く権利を求めているだけなんだから」と、フェミニストが求めている権利について改めて明言した。(フロントロウ編集部)