俳優のヘレン・マックロリーが死去
イギリス出身の俳優で映画やドラマ舞台などで活躍したヘレン・マックロリーが亡くなったことが、夫で俳優のダミアン・ルイスがSNSで発表した声明により明らかになった。52歳だった。
ダミアンが綴った声明により、ヘレンが人知れずがんを患っていたことが初めて明かされた。
「強く美しい女性であるヘレン・マックロリーが、がんとの勇敢な闘いの末、家族や友人の大きな愛に包まれながら自宅で安らかに息を引き取ったことを、胸を傷めながらお知らせします。彼女は生きるように亡くなりました。恐れずに。私たちは彼女を心から愛しており、彼女とともに人生を過ごせたことを本当に幸運だったと思っています。彼女は眩いほどに燃え尽きました。さあ、行け。空へと旅立つんだ、可愛い人よ。ありがとう」
— Damian Lewis (@lewis_damian) April 16, 2021
『ハリー・ポッター』や『007』に出演
演劇界への貢献が評価され、2017年には大英帝国勲章のオフィサー(将校/OBE)を受勲したヘレンは、2009年に公開された『ハリー・ポッター』(以下、『ハリポタ』)シリーズ6作目の映画『ハリー・ポッターと謎のプリンス』で初登場した、トム・フェルトン演じるドラコ・マルフォイの母ナルシッサ・マルフォイを好演。
7作目の『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1』、8作目の『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART 2』にも同役で出演し、ドラコの父ルシウス・マルフォイを演じたジェイソン・アイザックスとともに、強い印象を残した。
さらに、2012年に公開された『007』シリーズの23作目にして、ダニエル・クレイグが主人公のジェームス・ボンドを演じた3作目の作品である『007 スカイフォール』では、サム・メンデス監督から直々にオファーを受けて政治家のクレア・ダワーを演じた。
闘病の最中、コロナ禍でチャリティ活動に励んでいた
慈善活動に熱心で、ロンドンにある子供たちに演技の素晴らしさや演じることの喜びを伝えるチャリティ団体「Scene& Heard」の名誉後援者を務めていたヘレン。
新型コロナウイルスのパンデミック禍では、夫ダミアンとともに、最前線で奮闘する医療関係者に地元飲食店の食事を提供する「Feed NHS」と名づけられたプログラムを支援し、日本円にして1.5億円の寄付を集めるのに協力した。
亡くなる1カ月半ほど前の3月には、チャールズ皇太子が設立した10代~30代の若者の社会進出をサポートするチャリティ団体「The Prince's Trust」の活動を宣伝するために朝の情報番組に出演。パンデミック禍で希望を持てなくなっている若者が多い今こそ、大人たちが手を差し伸べることが重要だなどと、明るく、力強く、チャーミングに語っていた。
Wow. Helen McCrory on TV discussing her important charity work for the Prince’s Trust just six weeks before her death from cancer - and very few people had any idea what she was clearly going through. An incredible person. pic.twitter.com/5yhc6jbzol
— Dan Wootton (@danwootton) April 16, 2021
『ハリポタ』関係者が追悼コメント
SNS上では『ハリポタ』ファンをはじめ、たくさんのユーザーたちがヘレンの死に悲しみや追悼のメッセージを投稿している。そのなかには、かつての共演者や『ハリポタ』シリーズで彼女と一緒に仕事をした人たちからのコメントも。
『ハリポタ』シリーズの原作者である作家のJ.K.ローリングは、ツイッターを通じて「ヘレン・マックロリーの訃報に大きなショックを受けています。非凡な俳優であり素晴らしい女性だった彼女は、私たちの元をあまりにも早く去ってしまいました。遺族のみなさん、とくにご主人と子供たちには心からお悔やみを申し上げます」とツイート。
ルパート・グリントが演じたロン・ウィーズリーの兄パーシーを演じた俳優のクリス・ランキンは「ヘレン・マックロリーに関するひどく悲しい報せが届いた。卓越した才能を持った人だった。僕らの道は、ホグワーツでの戦いでほんの少しだけ交わっただけだけれど、とても愛らしい人だった。52歳なんて若すぎる」とツイートした。
(フロントロウ編集部)