「北欧の至宝」、マッツ・ミケルセン
マッツ・ミケルセンは、デンマーク出身で現在55歳の俳優。1996年にニコラス・ウィンディング・レフン監督の映画『プッシャー』でスクリーンデビューし、その後『しあわせな孤独』や『007 カジノ・ロワイヤル』、『偽りなき者』など数々の映画に出演。ドラマ『ハンニバル』では、有名な殺人鬼キャラクターのハンニバル・レクターを演じ、多くのファンの心を掴んだ。
また、2021年の第93回アカデミー賞では、自身の主演作『アナザーラウンド』は2部門ノミネートされており、今後は、人気ファンタジーシリーズの『ファンタスティック・ビースト』でゲラート・グリンデルバルド役を務めることも決定している。
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そんなマッツは最近、米Vultureのインタビューで、過去に受けた屈辱的なオーディションの経験を明らかにした。
マッツ・ミケルセン、「屈辱的」だと感じたオーディション
マッツが屈辱的だと感じたことを明かしたオーディションは、2005年に公開されたマーベル映画『ファンタスティック・フォー』。そのオーディションは、2006年に公開された『007 カジノ・ロワイヤル』の撮影後に行なわれた。
彼は「アメリカのエージェントを雇ったんだが、『オーケー、君はボンド映画を撮った。今がチャンスだ。向こうに行って、時間をかけて会議や雑談をして、オーディションを受けてください』と言われました。」と語り、続けて「それが自分の出たい映画かどうかを考える機会はなく、ただ全部やってみたのです」と明かした。そして、その中の一つが『ファンタスティック・フォー』だったよう。
マッツが受けたのは、主人公のミスター・ファンタスティック役。オーディションでは、腕を思い切り伸ばしてひとつのセリフを読み上げることを求められたという。彼は「興味深い部分もありましたが、そのほかの部分は…。部屋の中に立って、資料を見下ろす人の前で腕が長くなったフリをしてセリフを言っていたとき、それは俳優としての自信を完全に失ってしまうようなものでした」と、コメント。
「キャスティングの多くは、第一印象に尽きることはわかっています。プロデューサーや監督が求めるキャラクターを想起させるようなものがそこにあるのか(を見極める必要がある)。でも、部屋に入ってきた人に、ゴム人間のように80フィート(約24m)の腕を持っているふりをしながら1つのセリフを言ってくれ、と頼むのは、失礼だと思うんだ。『あのコーヒーカップをあそこに持っていって』と言うなんて、おかしいのか?と思うほどです。映画の中のワンシーンでもないのに。屈辱的だったよ」
「屈辱的だった」とまで評価した『ファンタスティック・フォー』のオーディション。結局その役はドラマ『FOREVER Dr.モーガンのNY事件簿』の主演で、マッツの友人でもあったヨアン・グリフィズにわたった。(フロントロウ編集部)