2021年のアワードを賑わす『ミナリ』
映画『ミナリ』は、アメリカンドリームを胸に抱きアーカンソーに移住してきた韓国系一家の姿を描いた作品。2021年の映画祭を大きく賑わせている話題作で、ゴールデン・グローブ賞やCritics' Choice Awardをはじめとする数々のアワードで受賞。アカデミー賞では6部門にノミネートされている。

なかでも注目なのが、助演を務めた現在73歳の韓国人俳優のユン・ヨジョン。彼女は英国アカデミー賞、SAGアワード、Critics' Choice Awardなど、オスカー前哨戦として有力な賞を多数受賞しており、アカデミー賞の受賞を予想するサイトGoldDerbyの助演女優賞の部門でも、堂々の第1位に選ばれている。
ユンがもし助演女優賞を受賞すれば、アカデミー賞93年の歴史の中で、アジア人として64年ぶり、2人目の演技賞の受賞者となる。(※)
※前回の受賞者は、1957年に公開された日本映画『サヨナラ』のナンシー梅木。
そんなユンは、米Peopleのインタビューで、アカデミー賞にノミネートされたことについて率直なコメントをした。
ユン・ヨジョン、オスカーは「ストレスが溜まる」
オスカーノミネートによって、意図せず多くの人々の期待を背負うことになったユンは、「ストレスが溜まります」と正直に告白。

そして、「まるで自分の国のために戦っているような気がします。オリンピックのようなものです」と言い、「私は競争、特に演技を他の人と比較することを(適切なことだとは)信じていません。だから、私にとってノミネートするということは、すでに賞をもらったということと同じなのです」と、独自の視点を持っていることを明かした。
彼女はずっとその視点を持ち続けているようで、英国アカデミー賞を受賞した際にも「候補になってとても光栄です」とスピーチで感謝。そしてその後、「いやもう候補じゃないですね」と冗談まじりに言って笑いを誘った。
気取らず、競争を好まないユン。それでもアカデミー賞ではノミネーションを受けているうちの誰かがトップに選ばれる。気になる第93回アカデミー賞授賞式は、日本時間4月26日に開催。(フロントロウ編集部)