2021年アカデミー賞で、『マ・レイニーのブラックボトム』のミア・ニールとジャミカ・ウィルソンがヘアメイク賞を受賞。黒人女性初!(フロントロウ編集部)

アカデミー賞ヘアメイク賞を黒人女性が初受賞

 アジア系女性監督の監督賞初受賞、監督賞に女性監督複数人ノミネート、アジア系アメリカ人俳優が助演男優賞にノミネートなど、初となることが多かった2021年の第93回アカデミー賞。

 そして主要部門以外でも初は起こり、ヘアメイク賞で、『マ・レイニーのブラックボトム』のミア・ニールとジャミカ・ウィルソンが受賞。ジャミカは同作の主演ヴィオラ・デイヴィスのパーソナルヘアスタイリスト。

 黒人女性がヘアメイク賞を受賞するのは初めてのことで、オスカー像に自分の名前が刻まれたプレートが取りつけられた時に、ミアが感極まってしまう様子も目撃された。

ミア・ニール、これは普通のことになっていく

 アメリカにおいて、“髪の毛”を通して差別意識や差別構造は現れてきた。『ブラックパンサー』のルピタ・ニョンゴは、写真で自分の髪の毛が一部修正された経験を告白しているし、『ハイスクール・ミュージカル』のモニーク・コールマンは、黒人である彼女の髪の毛をスタイリングできる人がおらず、自分で対処しなければいけなくなった過去を明かしている。

 そんな背景もあり、ヘアメイク賞で黒人女性が受賞したことは、大きな意味のあること。「私たちのDNAを通して贈り物をもらっています。だからこそ、私は自分の夢を生きているだけでなく、私たちの祖先の夢を生きているのだと感じています」と、先人たちへの感謝を米Varietyのインタビューで語っていたミアは、受賞スピーチで、さらに多くの女性たちが評価されていく未来へのメッセージを送った。

 「否定されても諦めず、努力を続けた私たちの先祖に感謝したいと思います。そして、ジャミカと私はガラスの天井を打ち破り、未来への大きな期待とともにここに立っています。なぜなら、黒人のトランスジェンダー女性たち、アジア系の姉妹たち、ラテン系の姉妹たち、先住民の女性たちがここに立つ未来が想像できるから。そしていつかそれは、普通ではないこと、画期的なことではなくなると知っています。それはただ、普通のことになる」

画像: ミア・ニール(左)とジャミカ・ウィルソン(中央)。

ミア・ニール(左)とジャミカ・ウィルソン(中央)。

(フロントロウ編集部)

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