エミー賞がジェンダーニュートラルへ一歩
アメリカのドラマ業界において権威ある賞のエミー賞が、今後は女性や男性といった性別によって分けられない呼び方を選ぶことができると発表した。ウェブサイトでこう説明されている。
「これまで“男優”や“女優”という演技賞では、応募に際してジェンダーの条件はありませんでした。そしてこれからは、“男優”や“女優”とつけられた演技賞の候補者や受賞者は、ノミネート証書やトロフィーで男優や女優と書かれていた箇所を、“パフォーマー”という言葉に変えるリクエストができます」
これは、主演女優賞や助演男優賞など、それぞれのカテゴリーを無くすものではなく、呼び方を自由にできるというもの。自らを女性/男性の2つでくくらないノンバイナリーの人々が世界に増えていることが、大きなきっかけとなったと見られる。
賞を女性/男性で分けることに対する変化は、他の賞でも起こっている。2020年にベルリン国際映画祭は、呼び方でなく、女優賞と男優賞という部門自体を廃止し、演技賞とすることを発表した。
しかしベルリン国際映画祭でこれまでも性別分けがなかった監督賞では、男性監督の受賞が女性監督に比べて多いことから、演技賞でも同様の状態になっていくのではないかという危惧もある。
様々な面から考える必要があるが、エミー賞がインクルージョン(包括性)を高めるためにパフォーマーという呼び方を導入することには多くの称賛が集まっている。
(フロントロウ編集部)