『ゲーム・オブ・スローンズ』のサーセイ・ラニスター
2011年から2019年にかけて放送されたドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』は、メインキャストのエミリア・クラークやキット・ハリントンなどを一躍世界的俳優へと押し上げたが、作品の魅力は様々に印象の強いサブキャラクターたちにも由来する。
とくに、『ゲーム・オブ・スローンズ』ではかなりクレイジーなキャラクターも多く登場し、その多くは嫌われた一方で、その存在によって物語に夢中になったファンは多い。
そのなかでも、全8シーズンに登場したサーセイ・ラニスターは、“ヤバい奴”と認識されていたキャラクター。とはいえ、8年という長さの中では、サーセイをめぐって様々な展開も描かれた。
レナ・ヘディ、拷問“する側”も辛い撮影
そんなサーセイの“復讐”シーンを覚えているだろうか。サーセイは復讐“された”こともあったようなキャラクターだが、復讐心を心に燃やし、いくつかの行動を起こした。
そのうちの1つが、セプタ・ユネラの拷問。シーズン6の最終話で、サーセイはセプタ・ユネラを地下に捕えた。そして彼女の顔面にワインをぶっかける水攻めの拷問をし、その後はマウンテンに引き渡した…。
セプタ・ユネラを演じたハンナ・ワディンガムは、放送では1分半ほどだったこのシーンが、撮影ではなんと10時間も費やされたことを明かしており、「出産以外での人生で最悪の日」と振り返っている。
10時間も水攻めの拷問を受け続けるだなんて、演技だとしてもトラウマになる経験だと想像できるが、サーセイを演じたレナ・ヘディにとっても「本当に本当にタフな日」だったそう。
「あのシーンをやるうえで、ハンナは本当にクソな時間を経験した。私はハンナを慕っているし、彼女は私の大好きな人」と、現実での2人の関係は良いものだと米Insiderのインタビューで明かすレナは、撮影当日をこう振り返る。
「人によって限界は違う。違うところに向かうしね。そして人によっては、『そんな最悪な立場に身を置きたくない』って言う人もいるし、私はそれぞれの限界を尊重する。でもハンナは戦士だった。プルーンジュースを顔に注ぐという長い1日だった」
自分が慕う人物がストラップを使って拘束された状態で、その顔に液体をかけ続けなくてはいけないというのは厳しい経験だろう。レナによると、耐えきれなくなった彼女は、ハンナの口を狙うのは途中で止めたという。
拷問“する側”を演じた俳優が、その撮影の苦しさを明かすのはこれが初めてではない。ファンに最も嫌われたといっても過言ではないラムジー・ボルトンを演じたイワン・リオンは、ソフィー・ターナーが演じるサンサ・スタークをレイプするシーンの撮影について、「僕のキャリアの中で最悪の日だった」と話し、とくにレイプという犯罪は現実に起こりえるものであることから、演技でもそれをするのは苦しいものだったと語っていた。
(フロントロウ編集部)