ジェイミー・チャンが急増するヘイトクライムへの本音を漏らす
大人気漫画『ドラゴンボール』を実写化した映画『DRAGONBALL EVOLUTION』でチチを演じて話題になった俳優のジェイミー・チャンが、アジア系を狙ったヘイトクライムが増加していることに少なからず恐怖を感じていることを、米Peopleのポッドキャスト『PEOPLE Every Day(原題)』で明かした。
フロントロウで何度かお伝えしているが、全世界で250万人超が亡くなっている新型コロナウイルスの最初の感染者が確認されたのが中国だったことが原因で、1年前ほど前からアメリカをはじめとする欧米諸国でアジア系を標的にした嫌がらせや暴行事件などのヘイトクライムが急増。コロナ前から人種差別や外国人嫌悪(ゼノフォビア)の問題は存在したが、コロナ禍でアジア系の人々があからさまに敵意を向けられたり、暴力を振るわれたりする事例が相次いでいる。
「私たちにとってまさに恐怖の時代で、まだそこから抜け出すことができていない。(以前と比べて)過剰に警戒したり、過剰に意識したりするようになった」。こう語ったジェイミーは、今年4月に開催されたSAGアワード(全米映画俳優組合賞)のレッドカーペット で、「Stop Asian Hate(ストップ・アジアン・ヘイト/アジア系への人種差別をやめよう)」と書かれたクラッチバッグを持って、アジア系への人種差別撤廃を訴えたことも記憶に新しい。
暴力を防ぎ、理解を深めるためには、「ストーリーテリングと表現が重要」だと話すジェイミーは、カンヌ国際映画祭でスタンディングオベーションを受けたジャスティン・チョン監督の『ブルー・バイユー(原題:Blue Bayou)』を例に挙げ、「近年、アジア系の映画監督たちの活躍が目立っている。でも、私たちはまだ始まったばかりのように感じる」と言うと、彼女自身、現在の地位を手に入れるまでの道のりは決して簡単なものではなかったことから、今後はその経験を生かし、アジア系のコミュニティに何か還元できたらと語った。(フロントロウ編集部)