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ニキビに“塩水”をつける美容法がTikTokで話題に
若者を中心に人気を集める動画共有アプリTikTok(ティックトック)で、医学的に根拠はなく、かえって肌荒れを引き起こすかもしれない間違った美容法が流行している。
さまざまな美容法が次々と生まれては消えるTikTokで、いま大きな注目を集めているのは、ニキビなどの肌荒れの治療に「塩水」を使うというもの。
この美容法を紹介したTikTokユーザーの@leacrylicsによると、海水浴をするたびに肌がきれいになる気がした彼女は、あるとき、海塩と水を混ぜた「塩水」を顔にスプレーすればいいんじゃないかと思いつく。そして実際に試してみると、みるみるうちにニキビが改善され、いまでは肌荒れに悩むことがなくなったと主張。
彼女いわく、これは「塩水」には皮膚のpHのバランスを整え、ニキビの原因となる細菌を殺菌できる効果があるからなのだとか。この「塩水」を使った美容法は、安価で手軽に真似しやすいこともあってか、瞬く間に拡散され、早くも98万回以上の再生数を獲得。ニキビに悩む若者の間で大きな話題となっている。
しかし、専門家によると、残念ながらニキビに対して「塩水」が効果的だという医学的な根拠はないという。
むしろニキビを悪化させる可能性がある
コネチカット州に拠点を置く皮膚科専門医のモナ・ゴハラ医師は「たしかに塩水、とくにマグネシウムを主成分とする海水は、古くからスキンケアにおいて“万能薬”と呼ばれている」と話し、塩にはある一定の美肌効果はあると米Allureでコメント。
そのため、塩水でニキビが改善されたという@leacrylicsの主張について、ゴハラ医師は「海水には、理論的には皮脂を取り除いてニキビを乾燥させる働きがある。この皮脂や角質除去する海塩の働きが、ニキビの改善につながった可能性はある」と推察。
一方で、ゴハラ医師は、実際の「海水」と、家庭で海塩と水を混ぜる「塩水」は全くの別物だとも指摘。「この美容法には医学的な根拠はない」と話したうえで、「(ニキビを改善させる方法として)もっとうまくいく選択肢は他にもたくさんある」と明かした。
ほかにも、ニューヨーク市の皮膚科専門医であるシャリ・マーチバイン医師は「海水浴によって軽度の皮膚の炎症や赤みが和らぐことがあるかもしれないけれど、私はこれがニキビに有効な治療法だとは考えていないし、おすすめもしない」と断言。
マーチバイン医師は「塩水をニキビに使うことで、余計にニキビの炎症が酷くなったり、さらなる色素沈着やニキビ跡の悪化を招いたりしないか、そっちのほうを本気で心配している」と警告した。
今回の「塩水」を使った美容法など、役立つものもあれば、かえって肌トラブルを引き起こすものなど、TikTokにはさまざまな情報があふれている。もし試す場合は、どんなリスクがあるのか充分に検討する必要がありそう。(フロントロウ編集部)