俳優のジェイソン・モモアが、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』で自身が演じたレイプシーンについて重い口を開いた。(フロントロウ編集部)

ジェイソン・モモアが『ゲースロ』に関する気まずい質問に答える

 2019年に放送終了した大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のシーズン1に、エミリア・クラーク演じるデナーリス・ターガリエンの夫カール・ドロゴ役で出演していた俳優のジェイソン・モモアが、同ドラマで自身が演じた性的暴行の描写について記者から質問され、率直な思いを明かすと同時に、質問の内容に不快感を示す場面があった。

 話に挙がったシーンは、原作者のジョージ・R・R・マーティンの著書では“合意の上でのセックス”として書かれていたが、ドラマのプロデューサーたちはマーティン氏の了承を得ることなく、“合意なしのセックス”へと変更。その後、マーティン氏はセックスシーンをレイプに変更したことで「(作品の)印象が悪くなった」と米Insiderのインタビューで語っている。

 例のシーンについて演者であるジェイソンはどう思っているのか? 米New York Timesとのインタビューで「後悔しているか?」とたずねられたジェイソンはこう答えている。

 「まず初めに、ドロゴと彼のスタイルを描くことが重要だった。チンギス・カンのような人物を演じたわけだからね。そして、それは本当に、本当に、本当に難しいことだった。でも、そういう役を演じるのが俺の仕事だ。それがいいことではなくても、あのキャラクターはそうだったんだ。俺の仕事は、『俺ならやらないよな?』と考えることじゃない。『(特定の)役を演じたことを後悔したことはあるか?』と質問をされることはあまりないから、こう言っておく。俺はすでにやってしまった。もう二度としない」

画像: ©︎Supplied by LMK / Landmark Media/Newscom

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 ちなみに、インタビュー終了後、ジェイソンはNew York Timesの記者に対してこんなことを語ったという。 

 「『ゲーム・オブ・スローンズ』について聞かれる時は、たいてい俺のキャラクターがどうだったとか、またやるのかとか、そういったことばかりだから、その質問を聞いた時はがっかりした。何かを排除することを俺に課すなんて、不愉快な感じがした。俳優にそんなことをする選択肢があるとは思えない。俺たちにはどうすることもできないんだ。プロデューサーがいて、脚本家がいて、監督がいて、『これは今の時代にはふさわしくないし、政治的な状況にも合わないからやらない』なんてことはできない。それはありえないことなんだ。だからこそ、あの質問を不愉快に感じた。そして、それを知ってもらいたかった」

 俳優としてある程度の地位を確立する大御所俳優であれば、自分の意見を押し通すことも可能かもしれない。しかし、今でこそ映画『アクアマン』などの作品で主役を張る主演クラスの俳優となったジェイソンも、『ゲーム・オブ・スローンズ』に出演していた頃はまだ下っ端だった。そのため、仮に何か引っかかることがあったとしても、当時は意見する立場になかったことを強調した。

 レイプシーンをめぐっては原作者のマーティン氏だけでなく、ジェイミー・ラニスター役のニコライ・コスター=ワルドーも、エミリアが性的暴行を受けるシーンをシーズン1で演じるのは、「本当に大変で、尊厳を傷つけるものだった。彼女の役が経験したことは恐ろしいことだ」と、英The Sunday Timesに語っている。(フロントロウ編集部)

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