クロエ・ジャオ監督によるマーベル映画『エターナルズ』
映画『エターナルズ』は、2021年11月5日に全国公開となるMCU映画。
超人的な能力と不死の肉体を持つ宇宙種族である「エターナルズ」が、数千万年間の潜伏を経て再集結することで物語が動き出す。
本作で監督を務めるのは、映画『ノマドランド』で数々の映画祭を制したクロエ・ジャオ。またキャストには、アンジェリーナ・ジョリーやサルマ・ハエック、キット・ハリントン、リチャード・マッデン、ジェンマ・チャン、マ・ドンソク、バリー・コーガンなどの人気俳優が勢揃いしていることでも注目されている。
そんな本作にマーベル初の聴覚障がい者ヒーロー、マッカリ役で出演しているローレン・リドロフが、聴覚障がい者の出演は業界に大きな影響をもたらすだろうと前向きなコメントをした。
マーベル初の聴覚障がいヒーロー
マッカリは、もともとコミックでは筋肉質な白人男性のキャラクターとして描かれていたヒーロー。しかしマーベルは今回映画を制作するにあたって、新たなマッカリ像を構築しようということで、マッカリを聴覚障がいを持つ黒人女性ヒーローに変えたとローレンは米Cnetのインタビューで明かした。
ローレンは映画『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』やドラマ『ウォーキング・デッド』のコニー役として活躍してきた、自らも聴覚障がいを持つ俳優。彼女は、世界中の聴覚障がい者のコミュニティ、特に障がい者に対する特別な法律がない場所で意識を高めることができる機会を持てたことに興奮していると語っている。
『エターナルズ』は「大きな影響を与えるでしょう」とコメントしたローレンは、「MCUは世界中に視聴者がいるけれど、この作品が世界中の他のコミュニティにどのような影響を与えるのか、想像もつかない」と、聴覚障がいを持つヒーローの登場というスクリーン上でのレプリゼンテーションが、世界中に与える影響の大きさについて語った。
ローレンは、「私は、ハリウッドがインクルージョン(※)の意味を再考している時期にこの(アメコミという)業界に参加することになった」と語り、「MCUの過去の作品を見てみると、有色人種や異なる身体的な特徴を持ったスーパーヒーローはひとりもいない。最近の人々は、そうしたスーパーヒーローの人間的な側面にもっと興味を持っていると思う」と続けた。
※インクルージョンとは、直訳すると「包括」という意味。すなわち、多様な人が参加できていて、その個性や考え方、経験などが認められていること。
今後は、脚本家、プロデューサー、コンサルタント、メイクアップアーティストなど、映画のスクリーン上でもカメラの後ろでも多くの聴覚障がいクリエイターが活躍することが重要だと強調するローレンは、「そうすることで、人々は聴覚障がい者の経験をよりよく理解することができると思う」と語った。
映画『エターナルズ』は、2021年11月5日に公開予定。(フロントロウ編集部)