マーベルによるMCU『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
マーベルによる映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、MCU初のアジア系ヒーローが主人公であることが注目を集めているが、もちろん、それだけでなくストーリーの面白さも大ヒットの理由の1つ。
父が率いる犯罪組織から逃げ、ホテルマンとして働くシャン・チーが、苦悩するなかでその過去、そして宿敵となった父親と対峙する…。
シャン・チー役をシム・リウ、彼の親友ケイティ役をオークワフィナ、そしてシャン・チーの父親であるシュー・ウェンウー役をトニー・レオンが務めたことで、その配役の素晴らしさにも高い評価が集まっている。
シャン・チーとケイティの関係性
本作では、シャン・チーとケイティは親友であり、恋愛になる展開は描かれなかった。そのこともまた、本作が称賛されている要因ではあるが、これまで世界で制作されてきた物語において、男女のペアは恋愛関係になることが多かったのは事実。
よって、なぜシャン・チーとケイティは恋愛関係にならなかったのかという感想が浮かんだ観客はいた。米Varietyのインタビュアーが本作のデスティン・ダニエル・クレットン監督に、そのことについて質問したところ、監督はこんな思いを語った。
「奇妙なことに、あのようなタイプの関係性はほとんど見かけない。とくに、本作のような映画では。私たちは行ったり来たりしました。あれをすることについて議論があったから。アジア系男性がロマンスの主人公というもの見かけないし。
でもこの物語において、恋愛について触れることさえも正しくないと感じた。シャン・チーの物語は、彼の家族や、彼がどうにかしなければいけない非常にクレイジーな物事に深く繋がっていて、恋愛要素は強制的なものに感じた。
このような友情…、私自身も多くの友人に対して持っていますが、決してロマンチックなものではないけれど、深い思いやりがあり、本当の友情であるものは、映画ではほとんど見かけない。でも私にとってあれは非常にリアルなものに感じたし、それ以上のものにする必要は感じなかった」
男女間の友情は成り立つのか?というテーマを考えたことがある人は多いはず。成り立たないと考える人もいれば、実際に成り立たないこともあるが、シャン・チーとケイティのように、友情が成り立つ場合もある。そして映像作品において、そんな関係も描かれることは重要。
2人の友情も見どころである『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、絶賛劇場公開中。(フロントロウ編集部)