『燃えよドラゴン』(1973年)
ブルース・リー主演の大ヒットカンフー映画、『燃えよドラゴン』。自身の出身地であるカナダのトロントには、70年代後半から80年代前半にかけて、深夜にカンフー映画を放送するチャンネルがあったと話すキアヌ。幼い頃からカンフー映画に夢中になっていた彼は継父に連れられて映画館で『燃えよドラゴン』を見て、ストーリー、アクションシーン、音楽、演出全てに感銘を受けたという。キアヌはインタビューで本作で描かれる謎やセックスにも触れて、「いかにもジェームズ・ボンドらしいものだったよね?」とコメント。
『キング・ボクサー 大逆転/天下第一拳』(1972年)
欧米で初めて公開されたといわれるクラシックなカンフー映画『天下第一拳』。本作は、カンフー映画好きなら知らない人のいない香港の映画会社ショウ・ブラザーズの作品で、あのクエンティン・タランティーノも好きな映画の一つにあげる作品。「子供の頃に印象的だったのは、男が空中に飛び上がって目玉を取るシーン」だと話すキアヌは、本作が示唆している政治的・社会的な意図について語り、2013年に監督した映画『ファイティング・タイガー』にも影響を与えていることを明かしている。
『フィスト・オブ・レジェンド』(1994)
リー・リンチェイ(ジェット・リー)主演の名作映画の一つ、『フィスト・オブ・レジェンド』は、ブルース・リーの1972年の映画『ドラゴン怒りの鉄拳』のリメイク作品。本作で武術指導したのは、映画『マトリックス』にアクション監督として参加したカンフー映画界のレジェンドユエン・ウーピン。キアヌは『マトリックス』の監督を務めたウォシャウスキー姉妹に本作を勧められて見たところ、「これはすごい」と思ったといい、本作の存在が『マトリックス』に影響を与えていることを明かしている。
『マスター・オブ・リアル・カンフー 大地無限』(1993年)
ユエン・ウーピン監督による本作は、リー・リンチェイ(ジェット・リー)の他に、現在公開中の映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』に出演しているミシェル・ヨーも出演したカンフー映画。キアヌは本作を選ぶ時ジャッキー・チェンの映画『ドランクモンキー 酔拳』、『酔拳2』と非常に迷っていたようだが、結局『マスター・オブ・リアル・カンフー 大地無限』をチョイス。キアヌは、「太極拳の先生のような」衣装に惹かれるそう。
『マトリックス』(1999年)
そして最後にキアヌがセレクトしたのが、まさかの自身の主演作である『マトリックス』。「カンフー映画だと言うには十分な量のカンフーが入っていると思う。そう思うよ」と力強く語り、特に地下鉄の戦いのシーンはいいものだとコメントした。一方シリーズ内でカンフー勝負をするなら2作目の『マトリックス リローデッド』に軍配が上がるだろうと話したキアヌ。カンフー映画の雄であるユエン・ウーピンをアクション監督に迎えただけあり、『マトリックス』のカンフーアクションには相当こだわりがあるよう。
キアヌの紹介したカンフー映画はどれも名作揃い。気になる人は是非チェックして。(フロントロウ編集部)