まだワクチンを打っていないことを明かしたニッキー・ミナージュ
新型コロナウイルスのパンデミックによる死者を減らすため、世界各国でワクチンの接種が積極的に進められているなか、ラッパーであるニッキー・ミナージュ(38)がツイートしたワクチンについての情報が物議を醸している。
米現地時間9月13日にニューヨークのメトロポリタン美術館にて開催された第75回メットガラを欠席したニッキーは、メットガラの開催にあたり、「メットガラとしてはワクチンを打ってもらいたいらいしい。もし私がワクチンを打つことがあるとしたら、それはメットガラのためじゃない」とツイートして、まだワクチンを打っていないことを明らかに。「十分なリサーチが自分でできた時に打つ。今、それに取り組んでいるところ。それまでは、大好きなみんなも無事でいてね。顔と頭をギュッとする紐がついたマスクを着けて。緩いのはダメ」と続け、ワクチンについて自分なりのリサーチが済んだ時に打つことを考えていることを明かした。
They want you to get vaccinated for the Met. if I get vaccinated it won’t for the Met. It’ll be once I feel I’ve done enough research. I’m working on that now. In the meantime my loves, be safe. Wear the mask with 2 strings that grips your head & face. Not that loose one �♥️
— Nicki Minaj (@NICKIMINAJ) September 13, 2021
波紋が広がることとなったのは、ニッキーが明かした、彼女の従兄弟の友人が経験したというエピソード。ニッキーは「トリニダード・トバゴに住んでる私の従兄弟はワクチンを打たないと言ってる」と、従兄弟がワクチン接種をしない考えであることを明かした上で、その理由として次のように続けた。
「というのも、彼の友達はワクチンを打って勃起不全になったんだって。睾丸が膨張してしまったそう。その友人は数週間後に結婚を控えていたのに、婚約者から結婚式をキャンセルされてしまった」。
My cousin in Trinidad won’t get the vaccine cuz his friend got it & became impotent. His testicles became swollen. His friend was weeks away from getting married, now the girl called off the wedding. So just pray on it & make sure you’re comfortable with ur decision, not bullied
— Nicki Minaj (@NICKIMINAJ) September 13, 2021
アンソニー・ファウチ医師がニッキー・ミナージュの情報を否定
記事執筆時点で2,200万人以上のフォロワーを持つニッキーのツイートの影響力は大きく、ニッキーが明かした従兄弟の友人にまつわるエピソードのツイートは、11万回以上もリツイートされた。その後、このツイートがアメリカで国民的な議論に発展。アメリカの感染症対策のトップである米国立アレルギー・感染症研究所の所長であるアンソニー・ファウチ医師が米CNNの番組に出演して、ニッキーの従兄弟の友人が見舞われたエピソードについて“ワクチンの効果によるものではない”と直々に否定した。
米現地時間9月14日に米CNNの番組に出演したファウチ医師は、新型コロナウイルスのワクチンが女性や男性の生殖機能に影響を与えることはあるのかと訊かれると、「それに対する答えは、断固として『ノー』です」とキッパリ否定。「そのようなことが起きるという証拠はありませんし、そのようなことが起きると想像できる機械論的な理由もありません」と続けた。
「多くの誤った情報があります。そのほとんどがソーシャルメディアです」とファウチ医師は続けて、SNSを中心に広まっているワクチンをめぐる誤情報について言及している。「誤った情報に対抗するにあたり、我々に分かっている唯一の手段は、多くの正しい情報を提供するということです」。
ファウチ医師は今回のニッキーの一件に言及しながら次のように続けた。「こうした主張を本質的に否定するということです。彼女は純粋にそう言っているのかもしれませんがね。彼女を責めるつもりはありませんが、根拠のない情報を広めるということについては、慎重に考えるべきですね」。
ホワイトハウスから呼び出されたとニッキー・ミナージュ
自身のツイートが国民的な議論にまで発展することとなったニッキー。アメリカ政府も、巨大な影響力を持つニッキーに直接、ワクチンについての情報を共有して理解してもらおうと考えたのか、ニッキーに連絡を取ったよう。
「ホワイトハウスに招待された」と明かしたニッキーは、ワクチンについて政府と対話する気満々な姿勢を示しており、「これが正しい方向への第一歩になりそう」と綴った上で、「私は行くつもり。『キューティ・ブロンド』みたいに全身ピンクの格好でね。私がマジだって分かってもらえると思う。人間らしくあるというだけで揶揄されてきた人たちを代表して、私が質問してくる」と続けた。
The White House has invited me & I think it’s a step in the right direction. Yes, I’m going. I’ll be dressed in all pink like Legally Blonde so they know I mean business. I’ll ask questions on behalf of the ppl who have been made fun of for simply being human. #BallGate day 3 https://t.co/PSa3WcEjH3
— Nicki Minaj (@NICKIMINAJ) September 15, 2021
一方、政府がニッキーに連絡を取ったのは事実であるものの、正確にはホワイトハウスに「招待」まではされていなかったようで、ホワイトハウスの担当者は米CBSの取材に対し、「他の方々にもそうしているように、私たちはニッキー・ミナージュに電話をして、我々の医師の1人が、彼女がワクチンの安全性や効果について抱いている疑問に答えるという形を提案しました」と訂正した。
一部のワクチン否定派からは、政府と話すということでニッキーに批判の声も寄せられたのだが、ニッキーはそうした声に応える形で、「私はやるよ、ベイビー」と明言。「もしみんなからも、私に訊いてもらいたい質問があれば、コメント欄に残して。完全な透明性を持ってすぐに(答えが)出てくるよ」と、フォロワーを代表してワクチンについての不安を話してみると伝えた。
I’m doing it, babe. If you guys have questions you’d like me to ask, leave in the comments. You’ll see it in real time with full transparency. � https://t.co/ABrAjdI1qE
— Nicki Minaj (@NICKIMINAJ) September 15, 2021
(フロントロウ編集部)