オーストラリア出身、叔父はヒューゴ・ウィーヴィング
1992年にオーストラリアで生まれたサマラ・ウィーヴィング。幼少期は、映画監督の父と博物館学の大学教員である母とともに、シンガポール、フィジー、オーストラリア、インドネシアなどを転々としながら過ごした。
現在29歳の彼女が俳優を志したのは、12歳の頃に映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』を鑑賞したのがきっかけ。彼女は米Harper's BAZAARのインタビューで、「(映画を見て)この世界から逃避できた。私は好奇心に満たされ、たった今自分に起こったことに関わりたいと思った。どうすればその(演技という)パーティーに招待されるのか、知りたかった」と、当時の気持ちを明かしている。
ちなみに、サマラの叔父は『マトリックス』3部作でエージェント・スミスを演じ、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作でエルロンドを演じたことで知られるヒューゴ・ウィーヴィング。そんなヒューゴの存在も、彼女が俳優を目指すきっかけの一つになっているのかもしれない。
様々なジャンルのドラマ・映画でキャリアを積む努力派
サマラが初めて主要な役割として映像作品に出演したのは、2008年のオーストラリアのドラマ『アウト・オブ・ザ・ブルー』。その作品は残念ながら1シーズンで終了してしまったが、2009年に人気ドラマ『ホーム・アンド・アウェイ』に出演したことをきっかけに、その名が知られるようになった。
『ホーム・アンド・アウェイ』はオーストラリアの国民的ドラマで、1988年に始まって以来34シーズンにもわたって制作されているメロドラマ。同作には、クリス・ヘムズワース、ナオミ・ワッツ、ヒース・レジャーなど、数々のセレブが出演してきた。
そんな大作への出演を機に、オーストラリアの映画祭AACTAアワードのテレビドラマ最優秀女優賞にノミネートするなどの成功を納める。
その後、叔父のヒューゴとともに映画『Mystery Road』に出演したことを皮切りにして活動の範囲を広げていったサマラは、映画『モンスタートラック』やドラマ『死霊のはらわた リターンズ』などに出演。
そして、マックG監督のNetflix映画『ザ・ベビーシッター』、アカデミー賞ノミネート作品の『スリー・ビルボード』、映画『レディ・オア・ノット』で主演、『ガンズ・アキンボ』でダニエル・ラドクリフと共演、そして2021年10月22日に日本公開の『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』に出演と、目覚ましいキャリアアップを遂げている。
また、2021年にAmazonプライム・ビデオで配信が始まったドラマ『ナイン・パーフェクト・ストレンジャー』では同じオーストラリア出身でオスカー俳優のニコール・キッドマンと共演を果たした。
今後は、映画『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督の新作でブラッド・ピットやマーゴット・ロビーが出演する映画『Babylon』への出演が決定している。
役作りも真剣!研究熱心な性格にもキュン
着実にキャリアを積み上げてきている彼女は、役作りにも真剣。ドラマ『ナイン・パーフェクト・ストレンジャー』出演の際にはインフルエンサーという役柄を追求するために、インスタグラムのインフルエンサーを調査し、さらにオーストラリアのコーヒーショップでインフルエンサーを実際に観察するなどの役作りを行なったと米W Magazineのインタビューで明かしている。
同インタビューでは、インフルエンサーに対する社会の女性蔑視的な判断を見直すことができたと語り、「インフルエンサーの世界で成功するには、本物のビジネスウーマンでなければならない。このキャラクターに惹かれたのは、私たちの文化にある家父長的で非常に陳腐な恨みを打ち砕くため」と、洞察の深いコメントを残している。
また、サマラは米W Magazinで好きな番組について質問された際に恋愛リアリティ番組『ラブ・アイランド』を挙げ、「魅力的な人間研究であると同時に、ドレスアップのテーマとしても面白いと思う」と答えており、ただ単にバラエティ番組を楽しむだけではなく、人間観察&ファッションチェックまでしていることを明かし、その研究熱心な性格を明かした。
マーゴット・ロビーとはかなり仲良し
実はサマラは、同じオーストラリア出身の俳優、映画『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のマーゴット・ロビーにそっくりだと言われている。確かに比べてみるとかなり似ている。豪The Sydney Morning Heraldのインタビューでは、見知らぬ人から『ウルフ・オブ・ウォールストリート』に出演していた時のあなたが好きだ、と言われたというエピソードを語っている。
とはいえマーゴットとサマラの関係は良好なようで、米SMHのインタビューでは「私はマーグス(マーゴットのあだ名)とよくつるんでいるよ!」と明かし、「私の婚約者と彼女の夫(イギリス人監督のトム・アッカリー)は本当に仲がいい。彼女は素晴らしく、刺激的な女性」と、マーゴットのことを褒め称えている。
プライベートは秘密主義!
サマラはかなりの秘密主義者で、プライベートは謎に包まれている。2019年に、2017年のNetflix映画『ザ・ベビーシッター』で知り合った映画プロデューサーのジミー・ワーデンとの婚約をインスタグラムで発表し、婚約指輪を写した写真とともにアップしたが、その後削除された。
以降、二人から結婚の報告などはされていないが、現在も関係は良好なようで、インスタグラムではジミーの誕生日を祝うメッセージを投稿している。
『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』で激しいアクション!
そんなサマラの活躍が見られる映画『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』が、2021年10月22日公開となる。本作でサマラが演じるのは、曾有の忍者テロを阻止するために緊急参戦するG.I.ジョーの女性エージェント、スカーレット。対敵諜報活動、秘密工作、敵の把握能力に優れ、ボウガンタイプの武器を駆使した戦闘能力も高いスカーレットは、トレードマークのボディスーツに身を包み、銃と拳で戦う“暗器エージェント”。
「スカーレットは女性のキャラクターのあり方という点で、常に少しだけ時代の先を行っている」というプロデューサーのロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラは、「サマラ・ウィーヴィングは思いがけず暴力が得意。健全なごく普通の見かけなのに、相手をやっつけることができる」と、ポーカーフェイスで仕事をこなす存在だと指摘する。
アクションも多い大役を任されたサマラは、「神経をすり減らすこともあったけれど、とても興奮していた。それに、くじけそうになるけれど、最終的にはとても、とても、クールなことだった。スカーレットは、(日本の伝説的サイバーパンクコミック『銃夢』の実写化映画である)『アリータ バトルエンジェル』の主人公サイボーグ・アリータみたいな衣装で超クール」と興奮した様子で公式インタビューに答えている。
そんなサマラは、本作でアクション監督である日本人の谷垣健治とコラボ。その仕事は、「少し大変だったけど、うまくできたと思う。アクション監督の健治は素晴らしい」と振り返った。
ロマンスからアクション大作まで、多くの作品に出演しているサマラ・ウィーヴィング。今後も彼女の活躍に期待。(フロントロウ編集部)