『007』新作の女性キャラクターたち
ついに、『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が10月1日に劇場公開される。
新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で、公開が延びに延びていた『007』シリーズ25作目となる最新作は、シリーズ初のアメリカ人監督であるキャリー・フクナガが手掛け、6代目ジェームズ・ボンドであるダニエル・クレイグの最終作となっている。
そんな本作で注目を集めるのが、女性キャラクターたちの描かれ方。
長年にわたって女性キャラクターや“ボンドガール”の描き方が批判されてきた『007』シリーズの前作『007/スペクター』が公開されたのは2015年。つまり、『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、2017年にハリウッドから世界に拡散した女性に対する性暴力や差別を拒否するMeToo運動が起こったあと初めて公開されるシリーズ作品なのだ。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』特別映像に痺れる
本作のフクナガ監督は、ショーン・コネリー時代のジェームズ・ボンドは「女性をレイプした」と言えるとしており、新作は「今の世界でスパイとして活動する白人男性の物語だ。しかし、(物語を改善することに対して)積極的な姿勢を見せて、女性たちを単に入れたというだけの存在以上にするための努力をしなくてはいけない」という思いを語っている。
そんな『ノー・タイム・トゥ・ダイ』より、新しいエージェントたちのアクションシーンが公開された。その新しいエージェントというのは、ラシャーナ・リンチが演じるノーミと、アナ・デ・アルマスが演じるパロマ。2人について監督は、こう説明している。
「この作品で私たちは2人の新しいエージェントを得た。彼女たちは、ジェームズ・ボンドの仲間だ」
これまでも女性がジェームズ・ボンドの仲間的存在になったことはあったが、監督の口から聞くとなかなかに新鮮な響き。本作では、『Fleabag フリーバッグ』や『キリング・イヴ/Killing Eve』で知られる俳優で女性脚本家のフィービー・ウォーラー=ブリッジが脚本に参加しており、その点からも期待が高まる。さらに、ラシャーナはその期待を確かなものとするように、こう話している。
「『ノー・タイム・トゥ・ダイ』は変化を表現する。この映画では、さまざまに強い多くの女性たちを見ることができますよ」
シリーズの新たな幕開けを予感させる『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』。その全貌は、劇場で。
(フロントロウ編集部)