イライジャ・ウッドが、自身が主演を務めた映画『ロード・オブ・ザ・リング』のオークは、ハーヴェイ・ワインスタインがモデルになっていたことや、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの制作時に監督がハーヴェイからいやがらせを受けていたこと明かした。(フロントロウ編集部)

イライジャ・ウッド、『ロード・オブ・ザ・リング』の秘話を暴露

 映画『ロード・オブ・ザ・リング』は、2001年から2003年にかけて3作品が公開されたファンタジー映画シリーズ。作家J・R・R・トールキンが1950年代に執筆した小説『指輪物語』を原作として作られた本シリーズは、興行的に大きな成功を収め、今でも多くのファンに愛されている。

画像1: イライジャ・ウッド、『ロード・オブ・ザ・リング』の秘話を暴露

 そんな本シリーズで主演を務めたイライジャ・ウッドが、俳優のダックス・シェパードのポッドキャスト『Armchair Expert』に参加し、『ロード・オブ・ザ・リング』の制作秘話を告白した。

 最近、メリー役のドミニク・モナハンとピピン役のビリー・ボイドと撮影中の思い出話をしたというイライジャ。その会話の中で、撮影現場で見たオークの仮面の話が挙がったそう。

 「その中のひとつに、僕もよく覚えているんだけど、ハーヴェイ・ワインスタインに似せて作ったものがあったんだよ。彼へのクソ喰らえって思いを込めてね」と言ったイライジャは、「これは今話してもいいことだと思う。あの男は投獄されているんだ。あいつのことなんてどうでもいい」と、ハーヴェイに対する怒りをあらわにした。

画像2: イライジャ・ウッド、『ロード・オブ・ザ・リング』の秘話を暴露

 イライジャによると、ピーター・ジャクソン監督は、『ロード・オブ・ザ・リング』の映画制作の途中でプロディーサーであるハーヴェイとの間にトラブルが生じたことから、彼に対する嫌味を込めて、ハーヴェイをモデルにしたオークを製作する決断をしたという。

 ハーヴェイは、80人以上の女優や業界関係者から性暴力を告発され、今のところ2件の罪で禁固23年が言い渡され、さらに4つの罪に問われている。この映画史に残る告発事件は、性被害にあった女性が名乗りを上げるためのMeToo運動のきっかけにもなった。

『ロード・オブ・ザ・リング』制作時に起きたハーヴェイ・ワインスタインとの確執

 イライジャによると、ジャクソン監督はハーヴェイが兄と共同で設立した映画会社のミラマックス社で『ロード・オブ・ザ・リング』の制作を始めたという。ジャクソン監督はトールキンの小説を映画化するために少なくとも2本の映画を作りたいと考えていたが、ハーヴェイは1本の映画で3冊の本をすべて映画化するよう要求した。

画像: ハーヴェイ・ワインスタイン

ハーヴェイ・ワインスタイン

 またイライジャは、ハーヴェイがジャクソン監督をクエンティン・タランティーノ監督や『恋に落ちたシェイクスピア』のジョン・マッデン監督に置き換えると脅したということも暴露。

 イライジャによると、ジャクソン監督がハーヴェイに別のプロデューサーを探す許可を求めたところ、ハーヴェイはそれを承諾したが、そのために与えられた時間は週末だけで、どのプロデューサーであっても3作品すべてを手がけるか、あるいはまったく手がけないかのどちらかでなければならないと制約を押し付けたという。

画像: ピーター・ジャクソン監督

ピーター・ジャクソン監督

 イライジャは「非常識な時間制限だった」と言い、「彼ら(ジャクソン監督とスタッフ)は、この作品をそこらじゅうに売り込みにいった。ピーター(・ジャクソン監督)は、かなり印象的なビデオを作って、いろいろなところに持って行ったんだ。ほとんどの人は、複数の映画を作ることに抵抗を感じていた。『最初の作品の出来を見てから残りの資金を投入するべきだ』というのが一般的な意見だった」と当時を振り返った。

 イライジャによると、ハーヴェイは少なくとも2作品の制作に同意したものの、予算の上限を7,500万ドル(約82億円)に設定し、そのことをジャクソン監督に隠していたという。

 最終的にジャクソン監督のチームは、他のスタジオに興味を持ってもらうために脚本をリークし、ニューライン・シネマの創始者であるボブ・シェイがこのプロジェクトに興味を持ち、3本の映画を作ることができた。

 イライジャは、「“2作品作るつもりだったところ、ボブ・シェイが『3作目を作らなければならない』と言った”というのがファンの間では定説になっているようだけど」と暴露話を締め括った。

 『ロード・オブ・ザ・リング』の制作には他にも驚くべきエピソードがあり、例えばジャクソン監督がホビットの仲間の一人を殺すようプロデューサーに圧をかけられていたということもある。いまや世界的に人気のある『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズだが、その制作には多くの困難があったよう。(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.