『Rust』武器係の“ずさんな仕事ぶり”を前職場の同僚が暴露
現地時間10月21日、米ニューメキシコ州で撮影中だった映画『Rust(原題)』のセットで、撮影監督のアリナ・ハッチンスが小道具の銃の誤射によって亡くなる事故があった。この事故でジョエル・ソウザ監督も負傷し病院に搬送されたが、現在は回復している。銃に実弾が入っていることを知らずに撃った主演俳優のアレック・ボールドウィンは、事前に助監督から“安全”だと伝えられていたそうで、アレックに銃を渡した助監督や武器係の確認不足が事故の原因と見られている。
そんななか、『Rust』の撮影現場で銃器の管理に加え、キャストに銃器の安全な取り扱いを指導する役割を担っていたアーマラー(武器係)のハンナ・グティエレス・リードが、過去の現場で俳優のニコラス・ケイジを激怒させていたことが明らかになった。
2022年公開予定の映画『The Old Way(原題)』でキーグリップ(※)として働いていたステュー・ブランボー氏は、「撮影現場での武器の扱い方には(どこの現場でも変わらない)共通のルールのようなものがあるんだ。ハンナと仕事をしたとき、すぐにこれは危険だと思った。だから私は上に彼女を解雇するよう求めた」と米CNNに証言している。
※カメラサポートスタッフ。ドリーやクレーンといった大型の撮影機材を管理する責任者。
ブランボー氏によると、ハンナがニコラスの近くで警告なしに銃を発砲したことがあったそうで、ニコラスは「ちゃんとアナウンスしてからやってくれ!お前は俺の鼓膜を破るところだった!」と叫ぶと、怒ってセットから出て行ってしまったという。
ハンナは、キャストや他のスタッフに一切知らせることなく、空砲を装填した銃器をセットに持ち込むことがよくあり、銃器を運ぶ際に両手にライフルを持った状態で拳銃を脇に挟むといった、軽率な行動が目立っていたとブランボー氏は話す。心配していたところ、ニコラスを激怒させた例のトラブルが起きたため、ブランボー氏がハンナを現場から外すよう上司に進言したが、聞き入れてもらえなかったそう。
ちなみに、アレックに実弾が入っていない“コールドガン”だと言って銃を渡した助監督のデイブ・ホールズは、2019年に制作された『Freedom's Path(原題)』という作品で銃関連のトラブルが原因で解雇されている。
警察の取り調べに対し、ハンナは実弾が入っていないことを確認し、安全な場所に保管していたと主張しており、助監督のデイブも同様にちゃんと確認したと証言しているが、デイブに関しては“もっと入念にチェックするべきだった”といった主旨の発言もしていることを米Peopleは伝えている。(フロントロウ編集部)