注目を集める『エターナルズ』のキャスティング
アジア系女性として初めてアカデミー賞監督賞を受賞したクロエ・ジャオが手掛けるMCUの映画『エターナルズ』では、セルシ役に中国系イギリス人のジェンマ・チャン、エイジャック役にメキシコ人のサルマ・ハエック、キンゴ役にパキスタン人のクメイル・ナンジアニ、ゲイであるヒーローのファストス役に黒人のブライアン・タイリー・ヘンリー、聴覚障害を持つヒーローのマッカリ役にローレン・リドロフが起用された。
これは非常に多様性のあるキャスティングだと言えるが、性別や肌の色、年齢などが多様なキャスティングがされると、現実と見比べた時には白人がほとんどであることのほうが不自然であるにもかかわらず、白人がほとんどの役を演じてきたことに慣れてしまっている観客からは反発が起こることが多い。
とはいえ、物事が変化し始めた時に反発が起こるのはよくあること。セルシを演じるジェンマは英Digital Spyのインタビューで、今後もさらに進んでいく社会の変化への希望を語った。
「『キャプテン・マーベル』ではもちろん、素晴らしいブリー・ラーソンが初めて女性の主役で、そしてこれ。たった数年のこと。でもそれは自然なことであり、それが始まる時であると感じる。そして願わくば、この作品のように多様なキャストを起用することは当然のことであり、大きなことではないというところまでいけると良いね」
また、自然なことであると感じているのは、イカロスを演じるリチャード・マッデンも同じようで、「撮影している時はそんなことなくて、今のほうが、『わぁ。これはすごく重要なことだね』って感じ。歴史を作るのではなく、マーベルがいた場所、向かう場所への自然な進歩だと感じてる」と、ジェンマの意見に同意していた。
(フロントロウ編集部)