聴覚障がいを持つヒーローが『エターナルズ』でMCUに初めて登場
11月5日に全国公開されたMCUの最新作『エターナルズ』。アジア系女性として初めてアカデミー賞監督賞を受賞したクロエ・ジャオが監督を務める本作は、多様性のあるキャスティングでも注目を集めており、なかでも、黒人のブライアン・タイリー・ヘンリーが演じるMCU初のゲイのヒーローであるファストスや、ローレン・リドロフが演じるこちらもMCU初の聴覚障がいを持つヒーローであるマッカリの登場は大きな話題になった。
本作でマッカリ役に抜擢されたローレンは、自身も聴覚障がいを持つ俳優。マッカリは、コミック版ではもともと筋肉質な白人男性として描かれているのだが、マーベルは今回映画に登場させるにあたって新たなマッカリ像を作り上げた。
マッカリの影響で手話に関心を持つ人々が増加
これまではMCU映画でヒーローとして描かれてこなかった、聴覚障がいを持つ人たちを、MCUのような世界的な映画シリーズで適切にレプリゼンテーションすることは重要なこと。実際、本作をきっかけに多くの人たちが手話に関心を持つようになったといい、言語学習アプリ「Preply」が発表したデータによれば、マッカリが『エターナルズ』に登場するという情報が発表されて以降、それ以前と比較して「初心者の手話の学び方」というキーワードの検索数が250%増加したという。
ローレンはこのニュースを報じた英Independentの記事をリツイートして、「素晴らしい。耳が聞こえないか/難聴の先生、もしくは(耳が聞こえないか/難聴の)コンテンツ制作者の人たちから手話を学んでほしい」と呼びかけた。
This is great. Do learn sign language from Deaf/HoH teachers/content creators �
— Lauren Ridloff (@LaurenRidloff) November 9, 2021
Eternals leads to rise in people wanting to learn sign language https://t.co/Eo3tgnDoLA
『エターナルズ』には、ローレンの夫であるダグラス・リドロフも手話の監修として参加しており、キャストたちに手話を教えたという。本作でキンゴを演じたクメイル・ナンジアニは、米TechRadarとのインタビューで次のように語った。「キンゴがマッカリと話す時に彼も手話を使うということが、僕にとってはすごく大切なことだったんだ。彼らは(手話を教えながら)僕らに辛抱強く付き合ってくれた」。
今回、マッカリがきっかけで手話を学ぼうとする人たちが増加したというニュースには、セルシ役のジェンマ・チャンもインスタグラムストーリーズでリアクション。ローレンを称えた上で、「レプリゼンテーションが大切」と訴えた。
MCUには聴覚障がいを持つ別のヒーローも登場予定
ローレンは『エターナルズ』でマッカリを演じたことについて、「初めての聴覚障がいを持つヒーローを演じられたのは本当に光栄なこと」とした上で、「ただ、これからの長い期間のなかで自分が最初で最後にはなりたくない」と米Byrdieとのインタビューで語っている。
MCUには間もなく、聴覚障がいを持つ別のヒーローとして、こちらも聴覚障がいを持つ俳優のアラクア・コックスが演じるエコーというヒーローが、2021年11月24日に配信されるディズニープラスの新シリーズ『ホークアイ』に登場する。ローレンは米Byrdieとのインタビューでこのことにも触れて、次のように語った。
「マーベルとディズニーは、聴覚障がいを持つ別のヒーローを間もなく紹介する。女優のアラクア・コックスが、ディズニープラスのシリーズ『ホークアイ』でエコーを演じるの。彼らが、聴覚障がいを持つ人々が来て、自分の存在を主張するための体制を整えていることがすごく嬉しい。私たちはずっと待っていたの」。
『エターナルズ』は現在全国の劇場で公開中。(フロントロウ編集部)