ティム・バートンの傑作映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』は、鬼才ティム・バートンがキャラクター設定と原案、制作を務めたミュージカル・アニメ映画。不気味でかわいいビジュアルや、風変りなキャラクターたちが魅力的な同作は、公開から30年近く経った今でも愛され続けている。
そんな本作に登場するサリーは、マッドサイエンティストのフィンケルスタイン博士が死体をつぎはぎして作り上げた、心を持つ人形。主人公であるジャックに秘かに思いを寄せており、彼が計画する「クリスマス」で何か悪いことが起きるのではないかと心配し、行動を起こす。
今回は、本作で人気の高いキャラクターである彼女の魅力に迫る。
『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』、サリーの魅力5
1,優れた特技を持っている
サリーは優れた裁縫スキルを持っており、つぎはぎで作られている身体がバラバラになっても自分自身で縫って直すことができる。ジャックは「クリスマス」の計画をしていた際、彼女に“サンディ・クローズ”ことサンタクロースの衣装を作るよう頼み、「君にしか作れない」と言っていた。
また、マッドサイエンティストの元で暮らしているからか、様々なポーションを作ることもできる。彼女は劇中で博士の目を盗んで屋敷から抜け出すためにオニホオヅキから毒薬を作ったり、クリスマスの研究に没頭するジャックに差し入れするためにポーションを作ったり、クリスマス計画を阻止するために霧のジュースを作ったりと、高い技術力を見せた。
2,優しさだけではなく、したたかさも持ち合わせている
思いやりがあって優しいサリーだが、自分を召し使いのように扱うフィンケルスタイン博士の抑圧的な態度にはしっかりと抵抗を示しており、時には彼から逃れるために毒を盛るといったしたたかさも持ち合わせている。
ティム・バートンは書籍『The Nightmare Before Christmas: 20th Anniversary Edition』のなかで、「サリーは優しい心を持っているが、愛すべき矛盾を抱えている。彼女は塔から抜け出すのに必要な量のイヌホオヅキをフィンケルスタイン博士に与えられるほど狡猾だが、ジャックに幽霊のような蝶になるポーションを贈るときは緊張している」と、彼女の二面性のある魅力を語っている。
3,リスクを顧みない強さを持っている
サリーは本作のヒロインだが、決して「か弱い女性」や「助けを待つ女性」としては描かれていない。前述の通り、博士からの抑圧に実力行使で抗ったり、ジャックの計画について自分の考えをしっかりと伝えたりと、芯の強さを感じさせる行動をとっている。
それだけでなく、彼女はサンタクロースを救うために、町で恐れられているヴィランのウギー・ブギーの隠れ家に潜入したり、脆い身体が壊れてしまうというリスクを顧みずに塔の上から飛び降りたりといった無茶もやってのける。
4,人を愛し、思いやる心を持っている
サリーは怖いことをして人を驚かせるのが好きなハロウィン・タウンの住人だが、彼女自身は思いやりが強く、人を愛する心を持っている。
彼女は元々ジャックのクリスマス計画を応援する立場だったが、彼の行動によって多くの人々が混乱に陥ってしまうことや、それによって彼自身が傷ついてしまうことを懸念して、「クリスマス」計画を阻止しようとした。最終的にジャックは彼女の深い愛情に気づくことになる。
5,ちょっとシャイなところも素敵
彼女の魅力は、芯の強さや優しさだけではない。ジャックのことを好きなのにもかかわらず、素直になれないというシャイなところもまた魅力の一つ。
フィンケルスタイン博士の屋敷から抜け出しジャックにポーションを差し入れした際、彼女はジャックがうれしそうな笑顔を浮かべる姿を見ることなくその場を去ってしまう。
ティム・バートンが書籍『The Nightmare Before Christmas: 20th Anniversary Edition』で「サリーは優しい心を持っているが、愛すべき矛盾を抱えている。彼女は塔から抜け出すのに必要な量のイヌホオヅキをフィンケルスタイン博士に与えられるほど狡猾だが、ジャックに幽霊のような蝶になるポーションを贈るときは緊張している」と語っているように、ツンデレでいじらしいところもまた魅力の一つ。
映画『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』はディズニープラスで見放題配信中。(フロントロウ編集部)