7年ぶりに再結成を果たし、2曲の新曲も収録されたベストアルバム『モスト・ウォンテッド:ザ・グレイテスト・ヒッツ』をリリースしたザ・ウォンテッドにフロントロウ編集部がインタビュー。7年ぶりに5人で活動をスタートさせた心境や、脳腫瘍を克服したトム・パーカーが企画したチャリティ・イベント、そして、そこにゲストとして出演したワン・ダイレクションのリアム・ペインと交わした会話についても訊いてみた。(フロントロウ編集部)

7年ぶりに再結成したザ・ウォンテッド

 マックス・ジョージ、シヴァ・ケインズウォラン、ジェイ・マクギネス、トム・パーカー、ネイサン・サイクスの5人からなるイギリス出身のボーイズグループであるザ・ウォンテッドが、2021年に再結成することを発表した。

画像1: 7年ぶりに再結成したザ・ウォンテッド

 2009年にイギリスで結成されたザ・ウォンテッドは、デビュー・シングル「オール・タイム・ロウー(All Time Low)」でいきなり全英シングル・チャート1位を獲得すると、同時期に結成されたワン・ダイレクションと共にイギリスのポップ・シーンで活躍。同じく全英1位を獲得したシングル「グラッド・ユー・ケイム(Glad You Came)」を筆頭に、「チェイシング・ザ・サン(Chasing The Sun)」、「ウィ・オウン・ザ・ナイト(We Own The Night)」などのヒット曲を次々に発表し、世界的な人気を獲得した。

 2014年に惜しまれながら解散した5人はその後、別々にソロで活動。それぞれが活躍を続けていたなかで、今回7年ぶりに再結成をすることになった背景には、2020年10月に末期の脳腫瘍を患っていることを公表した、メンバーのトム・パーカーの思いがあったという。

 トムは自身の治療を受けていくなかで、全米のがん研究予算のうち、脳腫瘍の新しい治療法の研究に使われるのはわずか1%であることを知り、さらなる医学研究のための重要な資金を集めるために、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで大規模な音楽イベント『Inside My Head』を開催すべく、再結成したいと、他の4人のメンバーたちにZOOMで連絡をしたそう。そして、この会話がきっかけとなり、ファンが待ち望んでいたザ・ウォンテッドの再結成が実現。このイベントにはエド・シーランやワン・ダイレクションのリアム・ペイン、シグリッドといった豪華な顔ぶれが参加し、大きな話題を呼んだ。

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 フロントロウ編集部は今回、11月19日に『モスト・ウォンテッド:ザ・グレイテスト・ヒッツ』をリリースしたザ・ウォンテッドにインタビューを実施。インタビューの前日は遅くまでプロモーションを行なっていたそうで、残念ながら、トムは大事をとってインタビューには不参加だったのだが、マックスとシヴァ、ジェイ、ネイサンの4人に再結成をした現在の心境や、お気に入りのザ・ウォンテッドの曲などを訊いてみると、リアム・ペインと7年越しに“ボーイグループあるある”で盛り上がったというエピソードまで飛び出した。

ザ・ウォンテッドにインタビュー

画像: ザ・ウォンテッドにインタビュー

再結成を発表してから2ヶ月が経ちます。5人でのグループ活動はいかがですか? 10年ほど前との違いなどありますか?

ネイサン「まだ2ヶ月しか経っていないなんて信じられないよ。もっと長い期間が経ったように感じる。僕らはもう少し前から話し合ってきて、リハーサルをしたり、秘密裏にスタジオに入ったりして準備してきたからね。僕らにとっては、素晴らしい半年という感じなんだ。多くの秘密を守ってきたんだよ。再結成を発表して、その秘密を全員に知ってもらえたのはよかった。素晴らしい気持ちだったよ。今は全員がリラックスできているし、この経験を楽しんでいるよ」
ジェイ「もう嘘をつかなくて良いという安心感もあるよね」

数年前から再結成の話は進めていたそうですが、2014年に解散して以降も、メンバーとして連絡は取り合っていたのでしょうか? 

ジェイ「常に(メッセージアプリの)ワッツアップで会話はしていたよ。(自分とネイサン、シヴァの)3人はアメリカに住んでいて、他の2人はロンドンとUKの他の場所に住んでいたから、異なる国で生活していたのだけど、常に連絡は取り合っていた。個人的にも、自分の目標を彼らがサポートしてくれるのを感じていたしね。メンバーからのサポートは常に感じていたよ。僕のショウに来てくれたこともあったしね。僕としても、それぞれのメンバーが音楽活動で何かを達成した時には常に愛を送っていた。大事な話がある時には必ず連絡を取り合ってきたとはいえ、解散してからの7年の間は、5人で集まることはなかったのだけどね。それもあって、久しぶりに同じ空間に集まれた時には、グッとくるものがあったよ」

久しぶりの新曲「Rule The World」を聴いた時は、これぞザ・ウォンテッドというサウンドで、「ザ・ウォンテッドが帰ってきた!」と嬉しくなりました。この楽曲を制作した経緯を教えていただけますか?

ネイサン「たしか今年の6月くらいに、ボーカルをレコーディングしたんだ。この曲は、マックスが素晴らしいソングライターにしてプロデューサーであるラウヴと一緒に書いた。マックスは4年前にラウヴとこの曲を書いて、ザ・ウォンテッドが再結成してレコーディングする瞬間が訪れるまで、ずっと引き出しにしまっていたんだ。数ヶ月前に一緒にレコーディングして、僕ら全員の歌声が乗った時には、『これだ』って思ったよ。まさにザ・ウォンテッド(という曲)だった」
シヴァ「この曲には、1人じゃ何もできない時もあるという歌詞が登場する。マックスが楽曲を聴かせてくれた時には、自分たちとの繋がりをものすごく感じたよ。もう一度再結成したことや、僕らの友情という点でね。だから、(この曲を歌うのは)自然なことだと思った。自分たちの歌声を入れた時には、ザ・ウォンテッドらしさをすごく感じた。特別な瞬間だったね」

『モスト・ウォンテッド:ザ・グレイテスト・ヒッツ』は、過去の代表曲を集めたベストアルバムですが、新曲以外で、それぞれのお気に入りの曲を教えてください。

ジェイ「僕の好きな曲はその日ごとに変わるけど、今は『We Own The Night』。外へ繰り出して、パブへ行ったり音楽を聴いたりして楽しむことばかりを考えているという、僕らのやんちゃな部分が出たワイルドなスピリットを感じられる曲ではあるのだけど、同時に、あたたかさも感じられるんだ。子供だった頃からの友達とパーティーを楽しんでいるような気分になって、ちょっぴり懐かしさを感じるんだよね。僕にとっての『We Own The Night』は、『Glad You Came』のような楽しさも持っていながら、あたたかさも感じられる楽曲なんだ。今日の気分はそんな感じだね」

シヴァ「僕の今日の気分としては、『Glad You Came』だね。この曲のおかげで僕らは世界に進出することができたし、この曲は当時の僕らを祝福するような曲なんだ。この曲で、日本にも行くことができたしね! 僕らは多くの国に行って色々な経験をしたし、たくさんのファンにも会えた。そのことは生涯忘れないよ。僕は旅行をすることや新しい人たちに会うのが大好きなんだ。この曲のおかげで僕らはそれができた。世界と1つになれたんだ。(世界中の人たちと)一緒に泣くことができたし、一緒に楽しむことができた」

ネイサン「僕は(喉の手術を受けた後だったので)日本に行けなかったんだけどね。本当に、ザ・ウォンテッドの活動を通じて一番悲しい瞬間だったよ」
シヴァ「(ネイサンに向けて)日本は素晴らしいよ」
ネイサン「知ってる! みんなと一緒に日本に行けなかったのはすごく悲しいよ」
マックス「好きな曲は、『Lose My Mind』かな。ものすごくヒットしたシングルではないけど、僕にとっては原点に立ち返れる曲なんだ。良い思い出が詰まっている」

ネイサン「そして僕は、『I Found You』だね。素晴らしいコーラスがあるし、(好きな曲に挙げるのに)ふさわしいよ」

『Inside My Head』のステージでは、久しぶりに5人でのパフォーマンスが実現しました。ファンの前でパフォーマンスできた時はどんな気持ちでしたか?

マックス「素晴らしかったよ。リアクションもとても嬉しいものだったしね。言うまでもなく、あの晩は特別だった。トムが患った膠芽腫を含む、あらゆるガンを周知するためにトムが企画したものだったから。素晴らしい夜になったし、新しい旅への良いスタートが切れたよ」

画像: 『Inside My Head』のステージでは、久しぶりに5人でのパフォーマンスが実現しました。ファンの前でパフォーマンスできた時はどんな気持ちでしたか?

『Inside My Head』には、リアム・ペインやシグリッドなど多くのアーティストたちも参加しました。

ネイサン「トムのために多くの愛やサポートを寄せられたということは伝えたい。パフォーマンスをしてくれたアーティストたちの多くが、トムに直接連絡をくれて、ぜひ参加したいと伝えてくれたんだ。本当に嬉しいことだよ。エド・シーランも参加してくれたんだ。彼のパフォーマンスを動画で撮影したんだよ。あの夜は本当に特別だった。人々の優しさと素晴らしさに触れたんだ。この業界では、自分自身のことに集中している時に、他のアーティストたちから多くの愛を得られることがある。それって特別なことだと僕は思う」

ちなみに、リアムとはどんな話をしたのでしょう?

画像: ちなみに、リアムとはどんな話をしたのでしょう?

ジェイ「有意義な時間だったよ。僕らザ・ウォンテッドは昔から、ものすごく閉ざされていたグループで、他のアーティストたちとの交流はしてこなかったんだ。『Inside My Head』の時は少しだけ勇気を出して自分たちの空間から飛び出して、『参加してくれてありがとう』と言ってみたのだけど、それがとても楽しかった。その時に話した1人が、リアム・ペインだよ。彼は本当に素敵な人で、僕らの楽屋まで来てくれたんだ。そこでは、ボーイバンド同士の会話を楽しんだ。閉ざされていたボーイバンド同士のジョークを共有したんだよ。例えば、メンバー間の意見の不一致について、彼らも僕らも同じように悩んでいた、みたいな。お互いに語り合ったあの時間のおかげで、彼とフラットな関係を築くことができたと思う」
マックス「君たちの気持ち分かるよ、みたいなね」
ジェイ「その通り。彼らとは歴史があるけど、当時は深刻に考えていたようなことを笑い合えたのは、ものすごく楽しかった」

先ほど、日本についてのお話も出ました。日本での印象に残っている思い出はありますか?

マックス「日本は満喫したよ。素敵な人たちばかりだったね。あらゆる日本食をトライしたよ」
シヴァ「レーベルの人たちは僕らにすごく良くしてくれたし、姪っ子たちのためにお土産をたくさん買ったんだ。その時にオススメしてもらったのが、日本で有名なテディベアだったのだけど、何だったかな?」

リラックマでしょうか?

シヴァ「そう、リラックマをたくさん購入したんだ。それから、2時間くらい観光も楽しめたよ」
ジェイ「個人的には、日本では何度か外国人として恥ずかしい思いをしたことを覚えている。西洋とは慣習が大きく異なっているからね。例えば、汚れた靴のまま家の中にあがることとか。自分が何も分かっていない迷惑な人のように思えた。この状況にはよく遭遇して、『靴履いたままですよ!』って言われていたよ。僕も『ごめんなさい』と謝るという状況が何度もあってね。日本では慣習が違うのだから、もっと考えて注意しなければいけないのだと気付かされたよ」

最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします!

シヴァ「『(日本語で)私たちはみんな、あなたを愛しています』。みんな愛してるよ! 日本では素晴らしい時間を過ごせたし、たくさんの思い出があるんだ。今度はネイサンも連れて日本に行くよ。みんなと一緒にもっと思い出を作りたいし、ライブもしたいと思ってる」
ジェイ「『テラスハウス』にも感謝してる」
ネイサン「(笑)。みんなからの愛とサポートをありがとう。みんなのおかげで、僕らはザ・ウォンテッドでいられるんだ」

画像1: 最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします!

<リリース情報>
ザ・ウォンテッド
『モスト・ウォンテッド:ザ・グレイテスト・ヒッツ』
デジタル・輸入盤・国内盤 配信/発売中

画像2: 最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします!

(フロントロウ編集部)

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