サラ・ジェシカ・パーカーのプロフィールは?
1965年生まれのサラ・ジェシカ・パーカーは、8人兄弟という大家族の4番目の子供として生まれ、時には電気を止められるほどの貧しい幼少期を過ごした。それでも母の勧めで歌やバレエを学び、8歳の頃にテレビデビュー。その後11歳でブロードウェイデビューを果たし、13歳でミュージカル『アニー』で主演のアニー役を射止め、2年間その役を務めた。
19歳の頃に出演した映画『フットルース』(1984年)で注目を集めた彼女は、27歳の頃に出演した映画『ハネムーン・イン・ベガス』(1992年)で主演のニコラス・ケイジの相手役を務め、1998年に始まったドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ(通称SATC)』で33歳にして大ブレイク。
プライベートでは、1980年代にロバート・ダウニー・Jr.と交際をしていたが、ロバートのアルコールや薬物依存などが原因で約7年間の交際の末に破局。その後、現在の夫であり、映画『フェリスはある朝突然に』で知られるマシュー・ブロデリックと出会って結婚。サラは2002年に1児を出産し、2009年には身体的な理由により代理母出産で双子をもうけた。
今後はドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の続編ドラマ『AndJust Like That…(アンド・ジャスト・ライク・ザット…)』の配信が決定しているだけでなく、1993年に公開された映画『ホーカス ポーカス』の続編『ホーカス ポーカス2』への出演も発表されている。
サラ・ジェシカ・パーカーが輝いている5つの理由
その1 シワや白髪など、加齢への差別にはキッパリNO!
『And JustLike That...(アンド・ジャスト・ライク・ザット…)』は、50代となったオリジナル版のキャストたちが再集結し、時代の移り変わりやパンデミックを経験した後のそれぞれの姿を描き出す物語。
実は本作出演にあたり、サラは自身の年齢や容姿についてあれこれ言う人々を目にしていたようで、「男性なら絶対に言われないような、女性蔑視的な言葉が飛び交っている。白髪、白髪、白髪。『彼女、白髪があるの?』って。(人気トーク番組の司会を務める)アンディ・コーエンも白髪だらけだけど、彼の場合は“素敵”と言われる。なぜ彼は白髪でもアリなの?」と米Vogueのインタビューで男女間の差に苦言を呈した。
さらに、「とくに、ソーシャルメディアではみんな言いたい放題。『彼女はシワが多すぎる』とか『彼女はシワが少なすぎる』とか。みんなまるで私たちが今の自分に満足することを望んでないみたい」と年齢差別に対してもバッサリ。
そして、「自然に歳を重ねようが、完ぺきな姿でなかろうが、自分が心地よいものを選択しようが関係なく、私たちが今の自分の姿に苦しむことを望んでいるように思う。私は自分がどんな外見か知っている。これ以上、私にどうしろと?歳をとるのをやめろと?それとも消えろと?」と、加齢への差別に対するまっとうな意見をはっきりと述べた。
このサラの力強い発言には、同年代からの賛同の声が集まっており、モデルのポーリーナ・ポリスコワは、白髪やシワといった加齢の象徴を隠さないサラに自身のインスタグラムで「ありがとう」と感謝の言葉を送った。
その2 女性が不当に扱われる状況で勇気を出して声をあげる
今や加齢による女性差別に声をあげ、多くの女性を励ましているサラだが、かつてはセクハラ被害にあっていたことを2019年に出演したラジオ番組『Fresh Air』で明かしている。
米USA Todayの調査によると、ハリウッドではセクハラ被害を受けたことのある女性は94%にのぼる。しかし、様々な背景からその被害に対して声をあげられず、泣き寝入りしている人がいるのも事実。そんな中で2017年に、ハリウッドの大物プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインによるセクハラ事件が明るみになると同時に、性的暴行の被害を告白・共有する#MeToo運動が広まった。
そんな運動に賛同しているサラはインタビューで、昔はたとえ自分のほうがキャリアが長く、上の立場であっても「不適切な行為をしている男性と同じくらいの権力を行使できるという気持ちになれなかった」と、声をあげられない過去があったことを告白。
彼女がそんな状況に声をあげることになったきっかけは、ある大物俳優が現場でとっていた横暴な態度。その人物の行動は、「不適切なだけでなく、もはや契約の義務を果たしていなかった」と感じるほど酷いものだったそうで、サラは悩んだ末にエージェントに相談したそう。
すると幸いエージェントはサラのために動いてくれたそうで、その後、現場の状況は「完璧ではない」ものの改善されたという。
サラは「もう口をつむぐことはしなくて良くなったし、(嫌な気持ちになる)可能性のある会話を恐れる必要もなくなった。私や私の体型、もしくは私になにをやらせようかなんて考えについてのジョークを聞く必要はなくなった」と振り返っている。
その3 ファッションを愛し続ける心を失わない!
1998年から2004年まで全6シーズンにわたってドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』でキャリー・ブラッドショーとして多くのファッションを披露し、古い考えにとらわれずに大胆にファッションを楽しむことを世の女性に発信したサラ。その精神は、未だにサラ本人のファッションにも表れている。
2021年に56歳になったサラは、難しいとされる柄ON柄コーデをプライベートでもさらりと着こなす姿がキャッチされている。さらにサラのインスタグラムには、カジュアルからラグジュアリーまで、シーンに合わせて多様なスタイルのインスピレーションがいっぱい。
いくつになってもルールや社会規範に縛られずに、自由に大胆におしゃれを楽しむ彼女はかっこいい。
その4 仕事に情熱を持っており、マイルールも作っている
8歳という幼い頃より芸能界で活躍してきたサラは、仕事に対する情熱も人一倍!2017年に行なわれた米Varietyとのインタビューでは、「仕事をして、仕事をして、仕事がしたい。座っているのは好きではないし、贅沢も好きじゃない」と、幼い頃から忙しい毎日を生きてきた彼女らしい仕事愛を明かしている。
なかでもテレビの仕事は「その混沌とした雰囲気が好き」なのだそうで、「(テレビ制作は)限界があるのが好き。時間というね。急がなくてはいけないのが好き」と、ストイックさをのぞかせるコメント。
そんなサラが仕事をする際のマイルールとして守っていることは、「ヌードにならない」ということ。ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』では、数々のヌードシーンが登場するが、思えばサラのヌードシーンはない。
サラは米The Hollywood Reporterとのインタビューで「部屋に白いキャンドルを要求する人もいるけど、私はいつも(ノーヌード条項を)求めてるってだけ」とサラリとコメント。そして、ほかの人のヌードシーンについては何の問題もなく、むしろ、俳優にとって快適なヌードシーンの撮影が行われることは素晴らしいことだとコメントしている。
その5 女性の素晴らしいレプリゼンテーションを生み出している
ハリウッドでは、男性俳優は年齢が上がっても作品への起用率が下がらないのに対し、女性は年齢を重ねるごとに起用されにくくなっていく、という問題がある。
こうした問題は、「エイジズム」と言われ問題視されており、2015年には俳優のメリル・ストリープが40歳以上の女性を主役にした映画の脚本をもっと世に出すためのラボ(研究機関)を、自費で開設するといった動きも出ている。
そして、40歳以上の女性俳優が起用されにくいということは、40歳以上の女性を主人公にしたストーリーがあまり描かれていないということ。
そんな状況だからこそ、50代となった主人公たちのセックスや友情、キャリア、ファッション
をありのままに描き、素晴らしいレプリゼンテーションを生み出し、さらに、正当な雇用の機会が得られなくなっているといわれる年代の女性たちを積極的に登用している『And Just Like That…(アンド・ジャスト・ライク・ザット…)』のような番組が制作される意義は非常に深い。
さらにサラは、2016年から2019年の間に配信された、HBOの中年夫婦の離婚をテーマにしたドラマ『Divorce/ディボース』で主演と製作総指揮を務めたが、その中で描かれた中年女性の人物描写は非常にリアルで素晴らしいと評価されており、彼女自身は第74回ゴールデングローブ賞主演女優賞にノミネートされた。
50代である自身が主演として活躍することで、スポットライトが当たりにくい同年代の女性たちのリアルや本音を描き出し、他の女性にもインパクトを与えているサラ。年齢を重ねるごとに輝きを増す彼女の今後の活躍にも期待!(フロントロウ編集部)