世界5カ国の女性たちのスパイアクション映画『355』
映画『355』は、アメリカ、イギリス、ドイツ、コロンビア、中国から集まった5人の女性エージェントたちが、18世紀アメリカの独立戦争時代に実在した女性スパイのコードネームである“355”を名乗り、世界を壊滅させられるほど危険なテクノロジーを奪還するための極秘ミッションに挑むスパイアクション大作。
ダイアン・クルーガーは、そんな本作に出演している女性たちのギャラが全員同額であったことを米Women's Healthのインタビューで明かした。
共演者でありプロデューサーのジェシカ・チャステインが、女性共演者の間での給与の平等性を確保したと語ったダイアンは、「ガールズと一緒に仕事をするのはとても気持ち良かったし、撮影現場は変な空気に包まれていなかった。ジェシカ(・チャステイン)は、すべての女優に同じ報酬が支払われるようにした。全員が映画の(権利を)一部持っている。映画の収益はどうなろうとも、最も完全な経験の一つだったよ」とコメント。
そして、「自分の意見を聞いてもらえること、評価してもらえることは、私の仕事だけでなく、どこでもとても大切なこと」とつけ加えた。
同じレベルの仕事でもジェンダーや人種によってギャラに差があることが問題になっているハリウッドで、より高額のギャラを受け取りやすいとされる側(※)が先頭に立って“ギャラ平等”というルールを作るのは素晴らしい取り組み。
※ハリウッドでは白人>有色人種、男性>女性の方が高いギャラを提示される傾向にある。
「ギャラ同額」だけじゃない!『355』が女性にもたらした“いいこと”
ダイアンは、「この映画で素晴らしかったのは、私たちの多くが母親だったこと。撮影現場に子供を連れてくることを許可され、子供用のトレーラーも用意されていた。プロデューサーが子持ちの女性であることを感じられる、素敵なことだった」と、映画『355』の労働環境が母親でもある自分にとって非常にいいものだったと絶賛。
ジェシカは長年ハリウッドで男女間における公正な給与を訴えてきた。2011年に公開された『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』でジェシカと共演したことがあるオクタヴィア・スペンサーは、2018年に米Peopleのインタビューで、ジェシカと一緒になったプロジェクトで、制作側が提示してきたギャラの5倍の額を得る手助けをジェシカがしてくれたことを明かしている。
またジェシカは2017年に米Wのインタビューで「女性についての女性のためのプロジェクトを開発し、より多くの女性脚本家や監督、そして自分たちの物語を語る機会がなかったマイノリティを雇うことに取り組んでいる」と語っていた。
その言葉どおり、映画『355』では、これまでのハリウッド映画では描かれてこなかった、多様な人種の女性スパイエージェント5名を主人公にしたアクション大作を作り、撮影現場では女性たちの声を聞いて適切な労働環境を提供したジェシカ。
彼女の信念がつまった映画『355』は、2022年2月4日に日本公開予定。(フロントロウ編集部)