『ハウス・オブ・グッチ』でパオロ・グッチに変貌を遂げたジャレッド・レト
日本でも1月14日に公開を迎えた映画『ハウス・オブ・グッチ』。『エイリアン』シリーズや『テルマ&ルイーズ』などのリドリー・スコットが監督を務め、レディー・ガガやアダム・ドライバーら演技力に定評のある俳優陣が揃った本作だが、公開前からその“変貌ぶり”が特に話題になっていたのが、グッチ家のパオロ・グッチを演じたジャレッド・レト。
特殊メイクを駆使し、アダム演じるマウリツィオ・グッチの従兄弟にあたるパオロになり切ったジャレッドは、言われなければ彼があのジャレッド・レトだとは気がつかないほどに見事なまでの変貌を遂げているが、その変貌ぶりは、パオロの父親であるアルド・グッチを演じた大御所アル・パチーノですら気がつかなかったほどだという。
ジャレッド・レトがアル・パチーノとの撮影秘話を明かす
先日、ジャレッドは出演した米ラジオ局SiriusXMの番組内で『ハウス・オブ・グッチ』を撮影中のエピソードを披露して、撮影初日のアルについて、「撮影での初日には、彼は僕だって気がついていませんでした」と明かした。
アルは、パオロがジャレッドであることはおろか、彼が自身の“息子”パオロであることにも気がつかなかったといい、「僕は彼のほうに近づいていって、『こんにちは』って挨拶したんですけど、追い払われました」とジャレッド。「彼と話をするためか、サインをもらうために紛れ込んで来たイタリアのヤバい奴だと思われたみたいで」と、セットに紛れ込んだ“ヤバい一般人”だと思われてしまったことを明かした。
何度かアルに近づいた後で、スタッフの助けもあってようやくアルにも気づいてもらえたといい、「彼に2〜3回近づいたところで、やっと誰かが小声でこう言ってくれたんです。『あれはパオロですよ。あの下はジャレッドです』って。そうしたら、彼は『息子か』って言いながら床に倒れ込んでいましたよ。すごく驚いたみたいです」とジャレッド。
「世界で最も素晴らしい俳優の1人とあのような出来事が経験できたのは、すごく素敵な贈り物でした。アルがこの男を信じ切ってくれるなら、僕らも大丈夫だっていう自信になりました」と語り、世界的な名優であるアルに自分だと気がつかれなかったことは、むしろ自信に繋がったと振り返った。
「それは初期に自信が得られたことについての話ですが、彼との仕事はただただ最高でしたね。ぜひ『ハウス・オブ・グッチ』の続編を作りたいですよ。『2人きりで(Just the Two of Us)』っていうタイトルなんかいいですよね。そう、(アルと)2人きりでね」とジャレッドはジョーク交じりにアルに賛辞を寄せている。
「とにかく、彼は最高でした。すごく寛大なんですよ。自分が彼のような立場になった時に、彼のようになりたいと思わせてくれる人です。オープンで親切ですし、進んで2テイク目を撮ってくれて、シーンを掘り下げながら一緒に話し合ってくれるんです。彼やリドリー(・スコット監督)との仕事は天国のようでした」と続けて、長年にわたって第一線で活躍し続けているアルやスコット監督と共に仕事ができたことへの喜びを語った。(フロントロウ編集部)