ガル・ガドットに対するジョス・ウェドンの反論
DCEUの『ジャスティス・リーグ』やMCUの『アベンジャーズ』でメガホンを取った監督であり脚本家のジョス・ウェドンは、ここ数年で多くの俳優から撮影現場での態度を告発されてきた。
そのなかの1人は、DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)でワンダーウーマンを演じるガル・ガドット。彼女は2020年にウェドンと確執があったことを明かし、2021年に母国イスラエルのメディアで、「ジョスとの関係は、基本的には、彼が私のキャリアを脅かし、もし私が何かしたら私のキャリアを惨めなものにする、と言ったことです」と話していた。
そして先日、ウェドンが米New Yorkのインタビューでこれまでの告発について反論。ガルへ向けた反論が失礼だとして批判されている。ウェドンの発言は、以下のようなものだった。
「私は人を脅すことはしません。そんなこと誰がするというのですか?英語は彼女の第一言語ではない。私は話す時に過剰に大げさになるところがありますし」
ガルはイスラエル出身だが、これまでに『ワイルド・スピード』シリーズ、DCEU作品、そして『レッド・ノーティス』や『シュガー・ラッシュ:オンライン』など、数々のハリウッド大作に主演やメインキャラクターとして出演している。
自らに向けられた告発内容について説明するのではなく、ガルの言語力を侮辱する発言をしたウェドンの態度を問題視する声は多い。
ウェドンは会話の例として、ガルが取り除きたいと要望していたシーンに関して、もし取り除きたいのであれば自分を線路に結んで、自分の屍を超えていけと言ったところ、自分が彼女の死体について話し、彼女を線路にくくりつけると言ったことになっていたと主張。
ウェドンの反論に対し、ガルは「私は(当時の会話を)完璧に理解しています。彼と仕事をすることは二度とありませんし、この先、友人たちに彼と働くことを提案することもありません」と、ウェドンの反論を否定している。
『ジャスティス・リーグ』の撮影現場の状況に関しては、関係者も米THRに、ウェドンはガルが言いたくないセリフを無理矢理言わせて録音したり、彼女のキャリアに傷をつけると脅したり、『ワンダーウーマン』の監督であるパティ・ジェンキンスを侮辱したりしたと証言している。
レイ・フィッシャーに対するジョス・ウェドンの反論
また、ガルがウェドンの態度を告発した背景には、『ジャスティス・リーグ』でサイボーグを演じたレイ・フィッシャーがまず初めにウェドンを告発したことがある。
レイは2020年に、「『ジャスティス・リーグ』における、ジョス・ウェドンのキャストやクルーに対するセット上での扱いは酷く、虐待的で、プロ意識に欠ける、到底受け入れがたいものでした。彼がそのままでい続けられたのは、ジェフ・ジョーンズやジョン・バーグによるところが大きい」と、DCエンターテインメントの元代表であるジェフ・ジョーンズと、ワーナー・ブラザーズの元プロデューサーであるジョン・バーグの名前もあわせてツイートしていた。
レイは、黒人である自分の肌のトーンが明るくされたとしている。この点についてウェドンは、彼の肌だけでなく、作品全編を通して映像のトーンを明るく仕上げたと説明。
また、彼がサイボーグの出演シーンを減らした理由は2つあり、1つはストーリーが「理論的に通らなかった」こと、もう1つはレイの演技が良いものだとは思えなかったことだと明かした。
カリスマ・カーペンターに対するジョス・ウェドンの反論
レイの告発を支持する形で、ウェドンが手掛けたドラマ『バフィー 〜恋する十字架〜』、そしてスピンオフドラマ『エンジェル』に出演したカリスマ・カーペンターも、当時の彼の態度を告発している。
彼女は、普段から、そして妊娠中も外見について文句を言われたり、嫌がらせを受けたりし、彼女の宗教的な信仰をバカにされたりもしたと明かした。
また、カリスマの告白を受けて、共演者のサラ・ミシェル・ゲラーも「ジョス・ウェドンとは一生仕事をしたくない」とコメントし、ミシェル・トラクテンバーグは「私たちは彼が何をしたか知っている。撮影。の。裏側で」と反応。アンバー・ベンソンは、「あの頃に多くの傷をつけられ、私たちの多くは20数年が経った今でも苦しんでいる」と話した。
彼女たちの告発に対し、ウェドンは「私は若かった」と当時の態度を認めながらも、「怒鳴った。時には怒鳴らなくてはならないこともある。キャストたちは非常に若く、すぐにパーティーになってしまうことは簡単だった」と、自身の行動は仕方のないことだったとした。そして、カリスマとの思い出の大半は「とても楽しく、チャーミングなもの」だと語った。
また、当時のスタッフのなかには彼に腕を掴まれたと話した女性もいるが、ウェドンは、自分は他人に身体的暴力をふるったことはないと話した。
(フロントロウ編集部)