アレック・ボールドウィンが名誉毀損で訴えられる
映画『Rust(原題)』の撮影現場で発生した銃誤射事故をめぐる騒動の渦中にある俳優のアレック・ボールドウィンが、アフガニスタンで自爆テロに遭い死亡した米海兵隊員の遺族から約28億円の損害賠償を求めて訴えられたことがわかった。
両者のあいだに一体何があったのか? すべてのはじまりは、昨年8月にアフガニスタンで発生した自爆テロ事件。当時、米軍の海兵隊に所属していたライリー・マッカラム氏(享年20歳)は、アフガニスタンの首都カブールの空港の外で避難民を空輸する手続きをしていた際に、爆撃で死亡した。このニュースを知って残された家族のことを不憫に思ったアレックは、マッカラム氏の妻と子供に5,000ドル(約55万円)の寄付を行なった。
しかし、マッカラム氏の妹ロイスがドナルド・トランプ前大統領の支持者で、昨年1月にワシントンD.C.で行われた大規模デモに参加していたことを知った途端、アレックの態度が一変。ロイスのインスタグラムを見てそのことを知ったアレックから彼女のもとに、ある日突然DMが送られてきたそうで、そのDMには、昨年1月6日にトランプ前大統領の支持者が首都ワシントンD.C.の米連邦議会議事堂を襲撃した事件にロイスが関わっていたことを非難する内容が書かれていたほか、彼女のことを「反乱者」「1月6日の暴徒」などと侮辱する言葉が並べられていたという。
それだけでなく、アレックはそのことを世間に知らしめるために、ロイスが大規模デモに参加した際に撮影した写真を自身のインスタグラムに投稿(※現在は削除されている)。その影響でロイスだけでなく、マッカラム氏のもうひとりの妹であるシャイアンや彼の妻ジェナのもとにまで不特定多数の人から脅迫まがいのコメントや殺害予告が殺到した。
ロイスはデモに参加したことは事実だが、連邦議会議事堂で起きた暴動には加わっていないと主張しており、アレックのせいで自身だけなく無関係のシャイアンやジェナまでもが世間から誤ったレッテルを貼られ、深刻な精神的苦痛を与えられたとして、アレックを名誉毀損とプライバシーの侵害、過失で訴えている。(フロントロウ編集部)