トム・ホランドが、最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』などMCU映画でたびたび共演してきたベネディクト・カンバーバッチのある演技を観て、思わず「心から嫌い」になったことを明かした。(フロントロウ編集部)

MCU作品で共演してきたトム・ホランドとベネディクト・カンバーバッチ

 1月7日に公開されたMCUの最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』を筆頭に、2018年に公開された『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で初共演して以来、それぞれスパイダーマン役とドクター・ストレンジ役としてMCU作品で共演してきたトム・ホランドベネディクト・カンバーバッチ

画像: MCU作品で共演してきたトム・ホランドとベネディクト・カンバーバッチ

 およそ3年以上にわたって共演をしている2人は、ベネディクトが以前、MCUドラマの『ワンダヴィジョン』のネタバレを促された際、“ネタバレ王子”というあだ名がつけられるほどマーベル作品のネタバレについて口を滑らせてきたトムを名指しし、「僕の中のトム・ホランドが出てきそうになっているのを感じるよ」とジョークを飛ばすなど、仲が良いことで知られる。

 現在公開中の『ノー・ウェイ・ホーム』でも息の合った演技を披露している2人だが、トムは、ベネディクトの最新作の1つを観て、思わず彼のことを「心から嫌い」になったほどその演技力に圧倒されたことがあったという。

 その映画とは、Netflixで配信中の映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』。ベネディクトはこの作品で、周囲に対して威圧的ながら、カリスマ的雰囲気をまとっている主人公のフィルを演じている。

トム・ホランドが『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の感想をベネディクトに伝える

 今回、トムとベネディクトはNetflixによる『In Conversation(原題)』のシリーズに出演して、『パワー・オブ・ザ・ドッグ』について対談。トムは冒頭で、「この映画はとてもショッキングでした。胸がえぐられるようで、あなたが演じたキャタクターの複雑さもそうです。僕はあのようなキャラクターの描き方をこれまで観たことがありませんでした」とベネディクトに同作の感想を伝えた。

 続けて、同作でのベネディクトの演技力に思わず圧倒されたとして、「僕はあなたのことをとてもよく知っているという、ものすごく恵まれた立場にあるわけですが、映画の冒頭であなたを観た時には、『すげえ。あれは僕が知っているベネディクトじゃない。どうなっているんだ?』って思いました」とトム。

 「あなたを知ってから初めて、あなたを心から嫌いになりましたよ。恐ろしくて、グロテスクで、おぞましいと思いました」と語り、恐怖を覚えるほどの演技に、思わずベネディクトのことを嫌いになってしまうほどだったと打ち明けた。

 『パワー・オブ・ザ・ドッグ』では、日本語では「有害な男らしさ」や「男らしさの呪縛」とされている「トキシック・マスキュリニティ(Toxic Masculinity)」」の問題がテーマの一つになっているのだが、「ストーリーが進むにつれて、僕はこの映画がトキシック・マスキュリニティやガスライティング(※)を扱っていながらも、ただ提示するだけでなく、そうした問題を深掘りしている点が素晴らしいと思いました」とトム。

※被害者を心理的に操って、相手に自分の判断や記憶が間違っているのではないかと自分自身を疑わせる行為。心理的虐待の一種。

 「彼の行動はいかなる形でも正当化されるべきものではありませんが、あなたは彼がなぜそうなってしまったのかを理解できる」と指摘した。

画像: トム・ホランドが『パワー・オブ・ザ・ドッグ』の感想をベネディクトに伝える

 トムの感想を受けて、「君が言ったように、彼の振る舞いはものすごく不快なものだ」とベネディクトは彼の意見に同意した上で、「『この映画は最後まで観ていられないよ。君はあまりに恐ろしすぎる』っていうリアクションもいくつかあった」ことを告白。

 「それから、改めて観直してくれたり、2回観てくれたりした人たちからは、君もそうだったけど、最初は嫌悪感を抱いていた彼を、本当は悲劇的な人間だと見るようになったという反応をもらったんだ」と続けて、映画がフィルという役の問題行為の根底にある問題を炙り出しているとした。(フロントロウ編集部)

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