沈没船の悲劇を描く映画『タイタニック』
映画『タイタニック』は、1997年に公開された大ヒットロマンス映画。実在する沈没船「タイタニック号」で起きた悲劇をベースに制作され、現在でも多くのファンに愛されている。
ジェームズ・キャメロン監督のもと制作された本作は、当時まだ若手だったレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットを大スターに押し上げた名作。1998年のアカデミー賞では作品賞、監督賞、撮影賞などを含む11部問を受賞した。
そんな本作の撮影中、主演のレオナルドはあることが原因で、“悪い態度”になってしまっていたという。
レオナルド・ディカプリオ、“悪い態度”を取った原因は…
米Business Insiderによると、『タイタニック』の撮影は水中でのシーンも多く、非常に過酷だったという。レオナルドとケイトの撮影時間は、なんと1日14時間で、週に70〜90時間にも及んだ。しかも、当初138日間の予定で行なわれるはずが、22日間も延長になってしまったそう。
そんな労働環境の中、当時22歳だったレオナルドは疲労やストレスが原因で、徐々に不機嫌になり、“悪い態度”を取るようになっていったという。
米Vanity Fairいわく、レオナルドは水中シーンを撮影するために監督が用意した大きなプールに「うんざりしていた」そう。また、長いこと現場に居続けたせいで、セットを見渡して「これはクソだ」と悪態をつく日もあった。
さらに、実際にキャビアなどの高級食材が振舞われたディナーシーンの撮影もレオナルドにとっては苦痛でしかなかったようで、ナイフやフォークを指差しながら共演者のキャシー・ベイツに向かって、「自分にロボトミー手術(※)をするにはどれを使えばいいんだ?」とさえ発言していたという。“禁忌の手術”をしてまでも感情を消してしまいたい、といわんばかりの発言には驚き。
※ロボトミー手術とは脳の一部を切除して感情を抑制したり、人間らしさを失わせたりしようとする恐ろしい手術。1970年代以降は、倫理的観点から“禁忌”とみなされ、全く行われなくなった。
疲労のあまり、完全にやさぐれた状態になってしまいながらもなんとか制作が終わった『タイタニック』。大ヒットとなり、レオナルドの苦労も報われたのではないだろうか。(フロントロウ編集部)