アレック・ボールドウィン、自分は“お金を持ってる”から訴えられた
俳優のアレック・ボールドウィンが、自身が主演兼プロデューサーを務める映画『Rust(原題)』の撮影現場で起きた銃誤射事故をめぐる一部の訴訟は、必ずしも潜在的な過失がある人たちではなく、“十分な資金を持った訴訟当事者”の人たちに向けられていると、先日出席したボルダー国際映画祭の取材の場で語った。
ご存じの方も多いと思うが、昨年10月、米ニューメキシコ州で撮影中だった映画『Rust』のセットで、撮影監督のアリナ・ハッチンスが小道具の銃の誤射によって亡くなる事故が発生。銃に弾が装填されていることを知らずに撃った主演のアレックは、事前に銃を確認した助監督から“安全”だと伝えられており、彼に銃を渡した助監督や武器係の確認不足が事故の原因と見られている。また、アレックが撃った銃は正確には小道具の銃ではなく“本物の銃”で、なかに実弾が入っていたことがその後の捜査で明らかになっている。
アレックは、「『過失がありそうな人はお金がなくて、お金がある人は過失がない』という姿勢の人たちが、訴訟当事者でも何でも、どんな側でも、一定数いるのです」と言うと、「だから、十分な資金を持った訴訟当事者を訴えようとするのです。お金がもらえないのに、なぜ誰かを訴えるのですか?(私が言いたいのは)そういうことですよ」と自身の考えを述べた。
現時点でアレックは事故で亡くなったアリナの遺族だけでなく、『Rust』で照明監督として働いていたセルゲイ・スヴェトノイを含む複数のスタッフからも訴えられているが、どの訴訟を指しているかは明言していない。
ちなみに、アレックは以前から“自分には責任がない”という主張を繰り返しており、今回の取材でも「もちろん、これは私にとってとても非現実的なことで、何と言ったらいいのかわかりません。武器の安全性を確保するのが仕事の人が、武器の安全性を守る二次的な役割を担う仕事の人に、その武器を手渡したら、その武器は安全だと宣言するのです」と、事故の責任は自分以外の者にあることを強調している。(フロントロウ編集部)