アダルト動画への出演経験を持ち、現在は『ユーフォリア/EUPHORIA』に出演しているクロエ・チェリーが、摂食障がいを抱えていた過去を明かした。(フロントロウ編集部)

ポルノ業界で“言われたこと”が原因で摂食障がいに

 ポルノ業界で多数の動画に出演した経歴を持ち、現在は若者の苦悩や現実を描く社会派のドラマ『ユーフォリア/EUPHORIA』でフェイを演じて頭角を現す俳優のクロエ・チェリーが、米ポッドキャスト番組『Call Her Daddy』に出演。

 18歳の頃に、ポルノ業界の関係者に言われた言葉が原因で摂食障がいになっていたことを明かした。

 クロエによると、それまでは他人に太っていると言われたこともなく、自分でも自分を太っていると思ったことはなかったという。そんな彼女に、ある男性がこんな言葉を告げたそう。

 「(摂食障がいは)ポルノ業界にいた時に、エージェントに私は太ってると面と向かって言われた時から始まりました。彼は、『みんな君は太ってるって言ってる。早く体重を減らす方法は食べないことだ』って言いました。彼は私にそう言って、私は『なんなの?』って感じでした。そしてそれが摂食障がいに繋がったんです。私は当時まだ幼かったから。彼は私が18歳の時にそれを言って、本当に奇妙だった。だってそれまで一度も太ってるなんて言われたことがなかったのに、その言葉に執着してしまったのですから」

 他人の体型に口を出すことも、それの対処法として食べ物を食べないことを提案するのも酷いもので、そんな意見は無視してしまえば良いが、実際にそう言われた時に簡単にそうできる人は少ない。

 クロエはこれをきっかけに野菜だけを口にし、なんと1日200キロカロリーまでしか取らないという制限を自分に科したという。

 しかしそれは彼女を“惨め”にしたそうで、彼女はメンタルヘルスの専門家のサポート受けたり、摂食障がいに関するポッドキャスト番組を聞いたり、ほかの女性たちの経験談を読んだりして、症状を改善するために努力したそう。

 そして彼女によると、やはり周囲の人々を頼ることができるようになるというのは、重要だという。「そこから抜け出すために、友達に心のうちを打ち明けることが必要でした。心を打ち明けたら、突然すべてが落ちついた」と明かした。

ポルノ業界でも女性の人権問題は深刻

 ポルノ業界で女性の置かれる環境は問題となってきた。

 日本では4月から成人年齢が18歳に引き下げされることで、より多くの若い女性たちがアダルト動画出演に関して強制や搾取の問題に直面することが危惧されており、女性たちを守る法整備が急務となっている。

 クロエは自分の意思でポルノ業界に身を置いていたが、若い頃に騙されたり、強制されたりしてアダルト動画に出演したことを後悔していると明かしてきた元俳優は少なくない。

 3カ月間だけポルノ業界で活動し、現在はインスタグラムフォロワー2,700万人を超えるミア・ハリファは、過去に女性たちに向けて「端的に言います。ポルノに出るのは止めなさい」とメッセージを発信。また、彼女の動画を削除することなどを求めるオンライン署名も立ち上げられた。

 スウェーデンのポルノ映画監督エリカ・ラストのように、女性を中心としたアダルト動画制作に取り組む人たちもいるが、問題は多く、根深く、大きい。

(フロントロウ編集部)

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