鬼才ギレルモ・デル・トロの最新作『ナイトメア・アリー』
映画『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロが監督を務め、ブラッドリー・クーパー、ケイト・ブランシェット、ウィレム・デフォー、トニ・コレット、ルーニー・マーラなど、主役級の俳優が勢ぞろいした『ナイトメア・アリー』は、第94回アカデミー賞で作品賞、撮影賞、美術賞、衣装デザイン賞の4部門にノミネートとなった期待作。
本作は、巧みな話術で人々を操る才能を持つ野心的な見世物小屋の芸人スタンが、自分よりもさらに危険な精神科医リリス・リッター博士と関係をもつという内容。
そんな『ナイトメア・アリー』に出演したルーニーは、撮影中ある出来事でスタッフに謝罪したという。
ルーニー・マーラがスタッフに「誰にも言わないでほしい」とお願い
実はルーニーは、『ナイトメア・アリー』の撮影中、ホアキン・フェニックスとの子を妊娠していた。2020年9月28日に生まれたその子は、若くして亡くなったホアキンの兄と同じ名前、リヴァー(River)と名付けられた。
しかし撮影の時点でルーニーは自分が妊娠していることを隠したかったらしい。アカデミー賞にもノミネートされている衣装デザイン担当のルイス・セケイラは、ルーニーのお腹を見て、「妊娠している」と思ったという。しかしルーニーはそのことに触れなかったため、ルイスはあえて黙っていたそう。
そんなある日、ルイスはルーニーに呼び出された。ルイスは「私の経験では、俳優のトレーラーに呼ばれたとき、『ああ、何か悪いことをしたかな』と思うものです。でも、中に入ってみると、彼女は『言わなくてはいけないことがあって、誰にも言わないでほしいんだけど、私、妊娠してるの』と言ったんです。彼女は、私たちのフィッティングに影響が出るからと、謝罪までしてくれました。だからもちろん、そういう情報は鍵付きの金庫にしまってあるんです。でも知っておいて損はありませんでした」と、米The Wrapに子供が生まれた今だからこそいえる告白をした。
しかしその撮影中、世界で新型コロナの感染拡大が急速に広まっていた。2020年2月にルーニーがルイスに「COVIDについてどう思う?」と聞いてきた際、ルイスは「ああ、注意はしていますが、楽観的に考えています。撮影スケジュールには影響しないと思いますよ」と答えたという。しかしその後、ご存じのように新型コロナウイルスによるパンデミックが発生して、すべての映画製作が中止された。
プロデューサーのJ.マイルズ・デイルは、「シャットダウンの2週間前、ルーニーが私をトレーラーに呼んで、「赤ちゃんができた」と言ったんです。私は『おお、すごい、信じられない』と言いながら、頭の中では『うーん、5月には制作が終わるし、ルーニーの妊娠は全く問題ないだろう』と計算もしていました」と語る。しかしその後すぐに撮影は一時中断となってしまった。
その後9月に撮影が再開となり、ルーニーは赤ちゃんを産んだ約1か月後に現場復帰した。そんなルーニーの出演映画『ナイトメア・アリー』は、現在日本の劇場で公開中。(フロントロウ編集部)