映画『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』をはじめ多くのアクション映画に出演してきたエイザ・ゴンザレスが、マイケル・ベイ監督の新作映画『アンビュランス』(2022年3月25日より全国公開中)では、アクション映画の脚本では滅多に見かけない女性像が描かれているとした。ベイ作品で女性が「感情面での角にあるような作品は初めてなのでは」とまで語った『アンビュランス』のキャム役について、エイザ本人がフロントロウ編集部に語った。

『アンビュランス』は女性がお飾りではないアクション映画

 マイケル・ベイ監督の新作映画『アンビュランス』。ハリウッドの破壊王と言われるベイ監督らしい、信じられない規模のカーアクションと複雑な人間関係で魅せながら物語が進んでいく本作でエイザ・ゴンザレスが演じるのは、病気の治療費を得るために銀行強盗をした兄弟ダニー(ジェイク・ギレンホール)とウィル(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)がハイジャックした救急車に乗り合わせた救急救命士キャム。

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 エイザと言えば、『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』、『ベイビー・ドライバー』、『アリータ: バトル・エンジェル』、『ゴジラvsコング』といった大作に出演してきた、アクション映画常連の俳優。そんな彼女にとって、『アンビュランス』の脚本は新鮮だったという。

 ジェイク・ギレンホールほどのレベルの俳優が主演のアクション映画の話がまわってくるときは、女性としての自分の役は「小さくて、重要ではなく、脇役的な役回りのことが多いです」とフロントロウ編集部に明かしたエイザ。しかし『アンビュランス』で彼女に与えられたキャム役は、そのステレオタイプに縛られていないうえ、物語の角となるキャラクターのひとりだという。

 「これほどまでに主体性を持ったダイナミックな女性のキャラクターはこのようなアクション映画ではあまり見られません。こういうタイプの作品に登場する女性キャラは、メール・ゲーズ(※男性視点で描かれた女性)のものが多いです。あるいは、タフな女性のステレオタイプで描かれている。でも今回私が演じているキャムは、自分のアイデンティティをしっかりと持っているキャラクターで、自分が何者であるか、何を望んでいるのかをはっきりわかっている女性であると同時に、成長の道のりの途中にいます。キャムは劇中での経験を通して色々なことを学ぶのです。こういうタイプの映画で女性キャラがそこまで描かれることってレアなんです。だいたい女性キャラは男性のあとをついていくような感じで、その女性キャラの人間性まで知ることができない作品が多いなか、この映画ではキャムが何かを学び、自分の仕事に対する愛を再び持てるようになるという道のりを経験します。それが描かれていることはとても美しいですし、観る者を惹きつけるキャラクターとしての物語があるので、1人の役者としてもこの役を演じられたことを本当に嬉しく思っています」とエイザ。

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 さらにメキシコ出身のエイザは、人種がストーリーに関係ないところも、レプリゼンテーションを高めることとして喜んだ。

 ラテン系、女性、障がい者、LGBTQ+など社会的なマイノリティが映画に登場するのは重要だが、多くの映画で、その部分にばかりフォーカスされて深いストーリーが語られないという問題がある。

 その点、エイザは本作について、「私たちの文化や女性というものに敬意を払っている作品だと思っています。私の民族的背景とは何の関係もない役であり、ストーリーも私がラテン系だからどうという話ではないんです。だからこそ、この役を演じることによって、ラテン系のイメージをより高めることができたと思っています」と語った。

「美しく撮らないからね」とマイケル・ベイ監督に言われた

 『アンビュランス』でマイケル・ベイ監督作品に初出演したエイザだが、「たぶんベイ監督にとって、女性キャラクターが作品のハートとソウル、感情面での角にあるような作品は初めてなのではないでしょうか」と力強く語る。

画像: 「美しく撮らないからね」とマイケル・ベイ監督に言われた

 そんなエイザに、ベイ監督は撮影前にこう言ったという。

 「君を美しく撮らないからね」。

 ベイ監督はフロントロウ編集部にその経緯をこう明かした。「エイザはとにかく楽しいし、鋭いし、すごくタフ。一緒にいて楽しい人ですし、全然気取っていません。他の監督は彼女を美しく撮ることが多いですが、僕は初めから『君を美しく撮らないからね』と言いました。美しさではなく、エモーショナルな部分を撮りたかったのです。そしてできるだけ、力強い女性像にしたかった。彼女には、彼女のキャラクターはその場をコントロールするキャラクターなんだということを説明しました」。

 映画『アンビュランス』は劇場公開中。(フロントロウ編集部)

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