ジョニー・デップが元妻のアンバー・ハードを名誉毀損で訴えた裁判でDV疑惑を否定すると同時に、これまでの人生で虐待した人物がいるとすればそれは「自分」だと述べた。(フロントロウ編集部)

ジョニー・デップ、虐待した人物がいるとしたらそれは“自分”

 現地時間4月25日、俳優のジョニー・デップが元妻で同じく俳優のアンバー・ハードを名誉毀損で訴えた裁判が開かれ、先週に続き再びジョニー本人が証言台に立った。この日はジョニーが法廷で証言をする最終日でアンバーの弁護士による反対尋問が行われた。

 ご存じの方も多いと思うが、2018年に米Washington Postに掲載されたアンバーの論説が名誉毀損にあたるとして、ジョニーは約55億円(5,000万ドル)の損害賠償金を求めてアンバーを提訴。この論説でアンバーはジョニーの名前こそ出さなかったものの、自身がドメスティック・バイオレンス/家庭内暴力(以下DV)のサバイバーであると主張すると同時に、「2年前に告発したDV(※)」の詳細を明らかにした。しかし、ジョニーは自身のDV疑惑を一貫して否定していることから、彼がDVの加害者か否かが今回の裁判の争点のひとつとなっている。
※時期からして加害者はジョニーであることが推測される。

画像: ジョニー・デップ、虐待した人物がいるとしたらそれは“自分”

 25日の裁判では、ジョニーがDVの加害者ではなくむしろ被害者である証拠として、2016年5月にアンバーがジョニーとの離婚と一時的な接近禁止命令を申請したあと、2人のあいだで交わされた会話の録音がジョニーの弁護士によって流された。

 以下がその会話の内容。

 アンバー:「どうすれば評価を取り戻せるかわからない」

 ジョニー:「一緒に手紙を書こう。『私たちはこの件を世間の目に触れないようにしたい』 、『自分たちだけで解決しようと思っている』と言うんだ。マスコミがこのうんざりするような憎悪の嵐を巻き起こしたのだと」

 アンバー:「私の信用はすべて失われた…。それも不誠実な方法で」」

 ジョニー:「アンバー、虐待の件。虐待の件についてどうにかしなきゃいけない。なんでそれを持ち出したんだ?」 

 アンバー:「あなたがそうさせた。あなたのチームのせいで私は攻撃することを余儀なくされた。この前、私たちの関係に狂いが生じたとき、私は本当に自分が死ぬんじゃないかと思った。あなたがうっかりやってしまうんじゃないかと」

 ジョニー:「アンバー、俺は指を失った。俺は、鼻にミネラルスピリットの缶を投げつけられたんだ」

 アンバー:「じゃあ(法廷で)フェアな戦いだったと伝えて、陪審員や裁判官の反応を見ればいい。世界に伝えてやりなさいよ、ジョニー。私ジョニー・デップは、男ですが、私もDVの被害者ですって」

 この録音が法廷で流されたあと、自身の弁護士から、“自分はDVの被害者です言えばいい”という上記のアンバーの発言を聞いてなんて返したのかと質問を受けたジョニーは「ああ、そうだ(=自分は被害者だ)」と答えたと証言。ジョニーは証人喚問の初日から一貫して自身にかけられたDV疑惑を否定しているが、最終日もアンバーによる虐待の訴えは「まったくもって事実無根」と繰り返し、彼女の告発が公になったときに「計り知れないほどの傷を負った」と主張した。

 また、ジョニーは長年、薬物依存症に加えアルコール依存症に苦しんできたことで知られるが、その後の反対尋問でアンバーの弁護士から飲酒を“問題”と考えていたのはアンバーだけかと聞かれたジョニーは、「もし誰かが私の飲酒について問題を抱えているとしたら、私の人生のどの時点でも、それは私でした」と答えると、「私がこれまでの人生で虐待したのは自分自身だけです」と断言した。

 現地時間4月11日から始まった名誉毀損裁判は約1ヵ月半にわたって行われる予定で、今後、アンバーも証言台に立つことになる。(フロントロウ編集部)

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