俳優のジョニー・デップがこれまで主演を務めてきた映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの続編に出演しない理由を、ジョニーの元エージェントが法廷で語った。(フロントロウ編集部)

ジョニー・デップの元エージェントが裁判で証言

 俳優のジョニー・デップが元妻で同じく俳優のアンバー・ハードを名誉毀損を訴えた裁判で、ジョニーの元エージェントで米大手タレント・エージェンシーのクリエイティブ・アーティスト・エージェンシー(CAA)に勤めるクリスチャン・カリーノ氏が、虐待疑惑がジョニーのイメージに“トラウマ的なイメージ”を与え、その影響で主演を務める映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの続編の話が立ち消えになったと証言した。

 これまでにディズニーがジョニーのシリーズ降板に言及したことはなく、本人に直接クビを言い渡したこともないが、ディズニーが続編を制作にするにあたってジョニーのシリーズ復帰に難色を示しているのは公然の事実となっている。実際、2017年公開の『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』以来、続編は制作されていない。

 この日、リモートで証言を行なったカリーノ氏は、ジョニーが『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの続編に出演しない理由を知っているかと聞かれると、自身は製作総指揮のジェリー・ブラッカイマー以外の関係者とは話をしていないとしたうえで、「私の考えでは、アンバーの告発に関連していると思います」と供述。さらに、虐待疑惑がシリーズ降板の理由として公然に語られたことはないが、「業界内ではそのように理解されていました」と付け加えた。

画像: ジョニー・デップの元エージェントが裁判で証言

 ジョニーは、今回の名誉毀損裁判の発端である2018年に米Washington Postに掲載された論説(※)が原因で、ディズニーが自分と縁を切ることにしたと主張しているが、アンバーの弁護団は、ディズニーはそれよりも前にジョニーを『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズから外す決定をしたと考えており、ディズニーがいつその決断を下したのかが今回の裁判で重要な争点のひとつとなっている。
※この論説を執筆したアンバーはジョニーの名前こそ出さなかったものの、自身がドメスティック・バイオレンス/家庭内暴力のサバイバーであると主張すると同時に、2年前に告発したDV(=時期からして加害者はジョニーであることが推測される)の詳細を明らかにした。

 アンバーの弁護士から明確な時期を問われたカリーノ氏は、“わからない”と答えた。一方、ジョニーの弁護士は、論説が掲載されるまではジョニーがシリーズから外れるという話はなかったことを証明するために、2018年にカリーノ氏と別のエージェントのあいだで交わされたメールのやりとりを公開。このメールは、例の論説が掲載されたあと、ジョニーのシリーズ降板を伝えるニュースが駆け巡った際にカリーノ氏が別のエージェントに送ったもので、「(降板について)我々がディズニーから公式に言われたことはありますか?」(カリーノ氏)、「いいえ」(別のエージェント)と書かれていた。

 ちなみに、シンガーのレディー・ガガの元婚約者として知られるカリーノ氏は、ジョニーとアンバーとは友人と呼べるほど親しい仲で、過去にさまざまな場面で2人の代理人を務めたが、現在は両者とも関係はないという。(フロントロウ編集部)

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