自治体の職員のミスで4,630万円が住民の口座に振り込まれた件が話題になっているが、海外でも同様の事例が。過去に手違いで「6兆円」が振り込まれた男性はどんな行動に出た?(フロントロウ編集部)

ある日、口座の預金額が「6兆円」に!?

 ご存じの方も多いと思うが、今年4月、山口県阿武町で新型コロナ関連の給付金(1人10万円)の対象の全世帯分にあたる4,630万円が誤って住民の男性の個人口座に振り込まれるという出来事があった。ミスに気づいた町の職員はその日のうちに男性と連絡を取り、全額返還する方向で話を進めていたが、途中になって男性が返金を拒否。その後、男性はお金とともに姿をくらまし、町は男性を相手取り返還を求める訴えを起こした。

 このようなご送金は、海外でもたびたび起こっている。2021年、アメリカのルイジアナ州で、ある男性の口座に500億ドル(約6兆4,000億円)が入金されて大きな話題になった。当事者の男性が米CNNに語った話によると、ある日、口座の預金残高を確認した際に500億ドルという身に覚えのない大金が振り込まれていたそうで、男性はその瞬間について「ゼロの数が1個、2個間違ってるというレベルの話ではありません。誰かがキーボードの上で寝てしまったようなエラーです。たしかに最初見たときは興奮しました。本当に驚きましたね。じつは私には大金持ちのおじさんがいて、遺産が振り込まれたのかと思いました」と振り返った。

画像: ある日、口座の預金額が「6兆円」に!?

 男性いわく、銀行側から何の連絡もないため、なせそのようなことが起こったのかはっきりとした原因はわかっていないというが、銀行の担当者はCNNの取材に対しミスがあったことを認め、「数週間前に技術的な不具合があり、限られた数の口座に影響がありました。この問題は翌日に解決し、現在はすべての口座が正確な残高を表示しています」と述べている。

 ちなみに、男性はそのお金を使おうとはまったく思わなかったそうで、「私のモラルコンパス(倫理基準)はひとつの方向にしか向かわず、それは正しい道です。道徳と合法性には大きな違いがあります。正直で善良なモラルがすぐに働きました。そのお金では何もできません。私が稼いだお金ではないので、私たちが使うものではありません」としている。

使ったら犯罪!窃盗罪で逮捕されたケースも

 しかし、みんながみんなこの男性のように善良な心の持ち主のわけではない。アメリカの場合、銀行口座に誤って入金されたお金には返還義務があり、使い込みなどが発覚すれば逮捕される可能性もある。2019年、ペンシルベニア州在住のある夫婦が、口座に振り込まれた12万ドル(約1,500万円)が手違いであることを認識していたにもかかわらず、そのことを銀行側に知らせることなくほとんど使ってしまったことが明らかになり、窃盗の重罪に問われるという事件があった。

 また、2021年、誤って口座に振り込まれた120万ドル(約1億5,000万円)の返金を拒否し、車の購入費用などにあてた女性は、窃盗、銀行詐欺、金銭の不法送信の罪で起訴されている。(フロントロウ編集部)

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