A24の新作ホラー映画『Men(メン)』のアレックス・ガーランド監督は、制作中に『進撃の巨人』から影響を得ていたそう。(フロントロウ編集部)

アレックス・ガーランドが『進撃の巨人』を絶賛

 映画『28日後...』や『わたしを離さないで』の脚本や、『エクス・マキナ』の監督であるアレックス・ガーランドがメガホンを取り、『ミッドサマー』や『ムーンライト』のA24が手掛けた新作ホラー映画『Men』は、諫山創による漫画原作のアニメ『進撃の巨人』の影響を受けているという。

 『Men』の主人公は、ハーパーという女性。夫の突然の死を受け、イギリスの田舎で過ごしていたが、森のなかから自分をつけ狙う何かに恐怖していく…。本作に登場する女性は、ハーパー1人。また、彼女に恐怖を与える男性たち全員をロリー・キニアが1人で演じている。

 米Indie Wireはガーランド監督による『Men(意味:男たち)』について、「女性たちが経験を強いられている公共空間での恐怖について、という非常に現代的なホラーストーリーを語るという領域に足を踏み入れていることを(監督は)自覚している」と評価しており、本作はA24が得意とする分野の1つである社会問題をホラー作品に落とし込んだものであると分かる。

 監督は本作の脚本を約15年も前から書き始めたそうだが、制作過程で変化があることはよくあること。そして変化を起こすきっかけとなったものの1つに、『進撃の巨人』があるという。監督が米Polygonのインタビューで語った。

 「あの番組にただただ圧倒されたんです。多くのレベルで非常に複雑ですが、巨人たち自身も非常に興味深いですよね。人間の形を使い、それを少し変化させ、物語をおかしなところギリギリにもっていく。でも、それを本物の勇気と自信をもって行なっている。なのでシリーズは、おかしなことと、実は本当に恐ろしいことの間という変な空間を漂っています。それには本当に、本当に感心しました。
 それと同時に、私は、自分はたぶん怠け者なんだと思いました。正しい言葉が分からないのですが、私(の作品)はあのシリーズほど良くないんです。そして私はもっとマシにならなければいけない。だから『Men』をふたたび見返して、考え直しました。そそれこそ、他者が良い作品を生み出してくれることの利点です。みんなを少し鼓舞してくれるでしょう?」

 先に『進撃の巨人』を見ていた娘に言われ、自分も見始めたという監督。そしてその物語の完成度の高さに、自分も刺激ももらったそう。

 「本当に良いものを見た時には、それはあなたがもう少し頑張るために、もっと考えるために、より良く行動するために、背中を押してくれるでしょう。『進撃の巨人』は、私に衝撃を与えてくれました。そして衝撃を得た時には、それまで働いていた、考えていたことの外側に出るチャンスが得られるんです。頭をクリアにして、またスタートし、“最初に自分が持っていたアイディアは何だったのか?”ということではなく、“この映画にとって正しいことは何か?”ということを考えられるんです」

『Men』の中の『進撃の巨人』の要素

 では、『Men』のなかに、『進撃の巨人』への直接的なオマージュはあるのだろうか? 撮影段階でも、編集段階でも、『進撃の巨人』を意識した変更はあったそうだが、映画制作はグループワーク。そのため、映画は流動的な作品だと言うが、ある1シーンには明確に『進撃の巨人』が感じられる箇所があるよう。

 「ある1カ所で、ある瞬間のある1つのことに寄与する1つの声があるのですが、それは『進撃の巨人』からです」と明かした。

 『Men』のなかに感じる『進撃の巨人』要素を見つけながら見るのもまた一興。『Men』の日本公開は未決定だが、続報が待たれる。

(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.