『ストレンジャー・シングス』シーズン3で注目を集めたシーン
ついにシーズン4の配信が開始となったNetflixドラマ『ストレンジャー・シングス』では、シーズン3から、ノア・シュナップが演じるウィルがゲイなのではないかという考察が出来ている。
まず初めに視聴者の視線を集めたのは、シーズン3でウィルと、フィン・ウルフハード演じるマイクがケンカをするシーン。シーズン3ではマイク、ルーカス、ダスティンに彼女ができてしまい、4人で遊ぶ時間が減ってしまった。まだまだ昔から仲の良い4人で遊びたいウィルが怒るのだが、そんな彼にマイクが「僕の責任じゃない」と言う。
じつはここは、日本語字幕では「僕の責任じゃない」とだけになっているが、英語では「It's not my fault you don't like girls!(君が女の子を好きじゃないのは僕の責任じゃない!)」と言っている。
とはいえマイクがこの発言をしたのは、仲間のなかで唯一恋愛に興味がないために怒っているウィルに少し苛立ったためだと考えられ、これはウィルがゲイであるという意味ではないと考える視聴者も多かった。また、ウィルを演じるノアも、米The Wrapのインタビューでそのような認識だと語っている。そして、ドラマのエグゼクティブプロデューサーであるショーン・レヴィも、米EWのインタビューで、「あれは性的指向といったものを指すものではありません」としている。
シーズン4でウィルが“英雄”とした人物は?
しかし、シーズン4でふたたびウィルのセクシャリティに注目が集まっている。
シーズン4では、ウィルとマイクの関係がギクシャクし続けた。ウィルが、ミリー・ボビー・ブラウン演じるイレブンのことを好きである可能性も否めないが、第1話でデザインされた細かな点に、鋭い一部のファンは気がついた。
第1話では、ウィルとイレブンが転校先の高校でプレゼンテーションをするシーンがある。テーマは、歴史上の英雄について。主にイレブンと、転校先のクラスメイトであるアンジェラたちとの関係を見せるシーンだったが、このプレゼンテーションのためにウィルが選んだのは、イギリスの数学者であり暗号研究者、そして1952年にゲイとして逮捕されたアラン・チューリングだった。
フィクションというのは、誰かの意図がなければデザインされない。このシーンではウィルが勝手にアランを選んだわけではなく、制作陣が、ウィルが選んだ英雄はアランだと設定したのだ。それは何を意味するのか? ショーンはこの点については、こうコメントしている。
「シーズン4の後半で私たちがどこへ向かうかは置いておいて、『ストレンジャー・シングス』において意図的でない出来事というのはそう多くありません。明確な意図と戦略、現実が、すべてのキャラクターに与えられています。なので、もしあなたがVol.1を見た後にストーリーやキャラクターについて細々したものを感じたなら、それはおそらく偶然ではない」
ウィルがアランを選んだことには意味がありそう。しかしそれが、彼のセクシャリティを示唆するものなのか、例えば物語の後半でアランが発展させた暗号や数学の理論がカギになってくるのかは分からないと言える。
また、ホッパーを演じるデヴィッド・ハーバーはNetflixの公式動画のなかで、「もしドラマを見てきたのなら、ウィルはエルに興味がないことが分かるだろう。彼はあのグループのなかの別の誰かに興味がある」と含みのあるコメントをしている。
『ストレンジャー・シングス』シーズン4のVol.2は2話だけだが、8話は1時間半、そしてシーズンの最終回となる第9話は約2時間半にもなると発表されており、物語がさらに展開することが期待される。理由はなんにせよ、シーズン4でウィルが内気になっていたのは事実。少なくとも最後には彼に心から笑っていてほしい。
(フロントロウ編集部)