『トップガン マーヴェリック』の制作に乗り気ではなかったトム・クルーズが、ジョセフ・コシンスキー監督の説得後に電話をした相手とは?(フロントロウ編集部)

『トップガン マーヴェリック』トム・クルーズが見せた権力

 そのキャリアで、映画『ミッション:インポッシブル』や『7月4日に生まれて』、『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』、『ラスト サムライ』、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』など、数えきれないほどの大ヒット作に主演してきたトム・クルーズ。しかし、先日公開された『トップガン マーヴェリック』は、今年で60歳となる彼のキャリア史上最高のオープニング成績を記録し、作品の質の高さを証明した。

 1986年に公開され、一躍トムを国際的スターに押し上げた『トップガン』の続編である『トップガン マーヴェリック』では、トムも製作に携わっている。しかし、じつは当初は、彼は本作の制作に乗り気ではなかったという。

 ジョセフ・コシンスキー監督は、オリジナルも手掛けた映画プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーのGOサインが出た後の展開を、米Polygonで明かした。

画像: カンヌ国際映画祭での監督とトム。

カンヌ国際映画祭での監督とトム。

 「脚本を読んでいくつかのアイディアを持ちました。ジェリーはそのアイディアを気に入ってくれて、『これをトムに直接プレゼンしたほうが良い』と言われたので、トムが『ミッション:インポッシブル』を撮影していたパリへ飛びました。撮影の合間に30分ほど時間をもらえたので、向かっている時には気づいていなかったのですが、つまり30分でこの映画を売り込むしかなかった。しかしあっちへ着いた時に、トムはふたたび『トップガン』を作りたくはないのだと知りました」

 たったの30分で、乗り気でないトムを説得しなければいけない。かなり厳しいミッションだが、それは成功した。そしてそのミーティングの最後でトムがしたことが、さすがすぎるのだった…。

 「監督としてすべての映画で起こることですが、この映画がなぜ作られるべきかと主張しなければいけない時でした。30分の時間がありました。最終的に、トムは電話を手に取り、パラマウント・ピクチャーズのトップに電話をして、“私たちはもう一度『トップガン』を作る”と言いました。その瞬間に本物の映画スターが持つ権力を見て非常に感動しましたよ」

 パラマウント・ピクチャーズのトップの電話番号を知っていることも、その相手にさっと電話をできることも、トップが電話に出ることも、そして決定事項のように、製作費が超トップクラスになるであろう作品を制作することを伝えることも、何もかもがさすがトム!

 そして、実際にクオリティの高い作品を作り上げて大ヒットさせた力には、だからこそトムはスターなのだと思わざるを得ない。トムは作品のために、アイスマン役のヴァル・キルマーのカムバックを交渉したり、次世代パイロット役の俳優たち用の訓練メニューを組んだりと、尽力したことも有名。

 トムの伝説はこれからも続く。

(フロントロウ編集部)

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