禁錮30年の判決が下されたR.ケリーが自殺防止の監視下に置かれることを拒否
未成年を含む女性への性的虐待や性的目的の人身売買などの罪で禁錮30年の実刑判決が下されたシンガーのR.ケリー(55)が米現地時間7月1日、必要がないにもかかわらず当局による自殺防止の監視下に置かれているとして、刑務所側を訴えた。
1件の組織犯罪と8件のマン法(※)違反に関連した罪に問われ、そのすべてで有罪判決が出されていたR.ケリーは現地時間6月29日、米ニューヨークの連邦地裁から禁錮30年の実刑と10万ドルの支払いを命じられる判決が出されている。
※マン法(Mann Act):売春を目的とした女性の州間の移動を禁止する法律。
米New York Timesによれば、R.ケリーは判決が出された現地時間6月29日から刑務所の精神分析医による監視下に置かれ、自傷行為をしてしまわないよう見張られているという。米New York Timesが入手した法廷文書によれば、精神分析医は彼の精神状態を危惧して今回の措置を決めたといい、自殺防止の監視下に置かれた囚人はしばしば、通常の囚人服の代わりに紙でできた囚人服を着せられるほか、食事の時に食器を与えられずに素手で食べることを余儀なくされることもあるという。
2019年以降、一度も保釈されることなく刑務所に収監されているR.ケリーは今回、自身には自殺願望がないにもかかわらずこのような措置を受けていると主張している。一方で、政府側の弁護団はR.ケリーへの措置について、囚人自身の自己分析に基づいて監視を外すことは「前例のないこと」だとして、監視下から外すことを拒否している。
今回、米ニューヨークの連邦地裁から禁錮30年の実刑を下され現在はニューヨークに拘置されているR.ケリーは、シカゴでも児童ポルノと公務執行妨害の罪に問われており、シカゴで8月15日から裁判が始まる予定となっている。
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(フロントロウ編集部)