新たに配信が始まったドラマ『ベイマックス!』のインクルーシブなシーンが注目を浴びている。(フロントロウ編集部)

批評家評価100%、ディズニープラスの新作ドラマ

画像: 批評家評価100%、ディズニープラスの新作ドラマ

 ディズニーの大人気映画『ベイマックス』の新作ドラマシリーズ『ベイマックス!』が6月29日よりディズニープラスで配信開始となり、あるシーンが話題を呼んでいる。

 本作の第3話では、主人公のソフィアが初めての月経を迎えることとなり、ヘルスケアロボットであるベイマックスが生理用ナプキンを買いに行く。ベイマックスは生理用品コーナーで近くにいた人たちにどのブランドが良いか意見を求め、まわりから「私はこのタンポンを使っている」「私はナプキン派」などと次々とアドバイスが飛ぶのだが、その中に、「自分はいつも羽つきを買うよ」と話すトランスジェンダー男性の姿がある。

 事実、生理用品の利用者にはトランスジェンダー男性も含まれる。トランスジェンダー男性の中には月経を止めるためにホルモン治療や手術など医学的な処置を受ける人もいるが、全員がそれをするわけでない。さらに、普段は生理はこないが注射の周期を変えてテストステロン値が下がったときに生理がくるという人もいる。トランス男性も生理用品を利用するという事実が可視化されてきている現代は、ウェスタン・カロライナ大学のように、男子トイレに生理用品を置く施設も少しずつ増えてきている。

 つまり、『ベイマックス!』のこのシーンは社会の中のリアルをスクリーンで正しく描いているということ。

 Twitterでは、保守派のアクティビストであるChristopher F. Rufoが、「子どもとセクシャリティをめぐる言説を再構築しようというディズニーの計画の一部」と批判してシーンの映像をツイートしたのだが、「なんて素晴らしいのでしょう! テレビ番組で月経の話題が出ることに加えて、みんながお互いに協力的なのは本当に良いことですね」「すごく心温まるシーン」「どちらに偏ることなくトランス男性を描くことが何か壮大な『計画』だと思うなんてね。ただの平等に見えるけど」「ヘルスケアロボットがヘルスケアについて話しているだけ」といったリアクションと共に1万回以上引用リツイートされる結果となった。なかには、「ディズニーは子どもに見せられない」といった意見や、「女性器がない人がどうやって生理がくるの?」という、ジェンダー移行に関する知識が欠けた発言もあったが、そういったネガティブな反応はポジティブな反応の数を下回っている。

 全6話のドラマ『バイマックス!』はライトなユーモアと心温まるストーリーが評価されており、批評サイトのロッテントマトでは現時点で満点評価の100%を獲得している。

(フロントロウ編集部)

This article is a sponsored article by
''.