アンバー・ハードが名誉毀損裁判の評決の無効を主張
元夫のジョニー・デップから名誉毀損で訴えられた裁判で敗訴したアンバー・ハードが、証拠不十分や陪審員のなりすましを理由に評決の破棄を裁判所に要求していることがわかった。
今年5月から約6週間にわたって行なわれた裁判で、陪審員はアンバーが2018年に米Washington Postに寄稿した論説が名誉毀損にあたると判断し、アンバーに補償的損害賠償として1,000万ドル(約13億円)、さらに懲罰的損害賠償として500万ドル(約6.5億円)をジョニーに支払うよう命じた。また、法的にはジョニーが勝訴したが、アンバーもジョニーへの反訴で200万ドル(約2.6億円)の賠償金を勝ち取った。
米Varietyによると、現地時間7月1日にヴァージニア州フェアファックスの裁判所に提出された書類で、アンバーの弁護団は、評決が証拠によって裏付けられていないと主張。「陪審員がハードさん悪意があったと認定するためには、デップ氏は、論説が掲載された時点でハードさんが虐待を受けたとは思っていなかったこと、あるいは虐待を受けたかどうかについて疑念を抱いていたことを立証する必要がありました。デップ氏は、ハードさんが自分が虐待されたと信じていなかったという証拠を提示していません。それどころか、ハードさんがデップ氏による虐待の被害者であると信じていたことを裏付ける証拠が圧倒的に多いのです。したがって、デップ氏は悪意があったことを示す法的要件を満たしておらず、評決は破棄されるべきです」と述べ、評決の無効を訴えている。
また、陪審員がアンバーに下した賠償金1,000万ドルは、彼女とジョニーの両方が互いに名誉を傷つけたという陪審員の結論と「矛盾しており、両立しがたい」ものだと反論した。
さらに、アンバーの弁護団は、陪審員のひとりについて、裁判所の記録には「1945年生まれ」と書かれているにもかかわらず、公開された情報では「1970年生まれ」になっていることから“なりすまし”の可能性を指摘。「この矛盾は、15番の陪審員が実際に陪審員としての召集令状を受け取り、裁判所から陪審員としての適正な審査を受けたかどうかという疑問を生じさせます。調査の結果によっては、評決を全面的に破棄し、この問題を再審に付すことが正当化されるかもしれません」と、当該の陪審員に関する調査を行なうことを求めている。
ちなみに、アンバー側の申し立てを受けて、ジョニーの主任弁護士であるベン・チュウ氏は米Courthouse Newsに、「こうなることは予想していました。ただ長いだけで、実質的な内容はありません」という声明を出している。(フロントロウ編集部)