欧米で大ヒット中の新作映画『ミニオン フィーバー』をめぐって、イギリスで“スーツ姿の10代”の入場を禁止する劇場が出ている。TikTokのトレンドによる迷惑行為が原因だという。(フロントロウ編集部)

TikTokトレンド「#gentleminions」で迷惑行為

 日本で7月15日から劇場公開される映画『ミニオン フィーバー(原題:Minions: Rise of Gru)』は、全米で公開週末に1億850万ドルを稼ぎ、コロナ禍以降アニメ作品最大のオープニング記録を樹立。また、イギリスでも興行ランキング1位となるなど、欧米で凄まじい人気を見せている。

 ただ、映画の公開早々、イギリスの劇場で一部のファンの入場を禁止する動きが出ているという。イギリスでは10代の少年たちの間で、スーツ姿で『ミニオン フィーバー』を観に行くのが大ブーム中。これはTikTokの「gentleminions(※ジェントルマンとミニオンを合わせた造語)」というトレンドが発端となっており、少年たちはスーツを身につけて、主人公グルーがやる両手の指を合わせたポーズを取り、劇場に5〜20人のグループでやってくる。

 このトレンドは映画のヒットを後押ししていると言われており、映画を配給しているユニバーサル・ブラザースもツイッターで「ミニオンにスーツを着てやってくるみなさん。私たちはあなたたちの存在に気づいており、あなたたちが大好きです」と公認。映画の公式アカウントも「The gentleminions」とツイートしてトレンドを喜んでいる。

 しかし、これがただ仮装して映画を観るだけのトレンドなら良いのだが、各地の劇場で興奮した少年たちが大声を出したり、物を投げたり、勝手にステージに上がったりといった迷惑行為が次々と報告されるように。もちろん、迷惑行為をすることなくただTikTokトレンドを楽しむグループもいるのだが、一部の暴走した来場者のせいで、「スーツ姿のグループは入場をお断りします」「保護者の同伴がないスーツ姿の未成年の入場お断り」といった措置を取る劇場が出てきている。

 TikTokで400万回以上試聴されている#gentleminionsのトレンドは現在も人気。TikTokでは「やりすぎ」「このトレンドは終わりにしよう」と批判する動画も作られているが、それに対して、「誰も自分たちを止められない」といってわざと劇場で大騒ぎする集団も出てきている。

 『ミニオン フィーバー』は観客からのスタンディングオベーションの報告が相次ぐほど評価が高いため、一部のユーザーの暴走がその他大勢の楽しみに影を落とさないことを願いたい。(フロントロウ編集部)

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