ビヨンセのアルバム『ルネッサンス』が高評価
2016年にリリースされたアルバム『Lemonade(レモネード)』以来、約6年ぶりのスタジオアルバム『Renaissance(ルネッサンス)』をリリースしたビヨンセ。『Renaissance(ルネッサンス)』は、ビヨンセ史上最高のアルバムとの呼び声も高く、米音楽メディアPitchforkでビヨンセ史上初めて10点満点中9.0を記録。
『ルネッサンス』は、これまでのビヨンセのアルバムとガラリと雰囲気を変え、ドナ・サマー、モワ・レネー、ロビンSやビッグ・フリーディアなどの楽曲をサンプリングしており、どの年代の人でも楽しめることが出来る魅力的な1枚。
しかし、一方で様々な問題も発生している。その中でも注目したいのが、『ルネッサンス』に収録されている「Energy(エナジー)」のクレジット問題。「エナジー」はケリスの「Milkshake(ミルクシェイク)」をサンプリングした楽曲。ところがリリース後、ケリスがクレジットされなかったどころか、サンプリングされる事実すら伝えられていなかったと告発。「これはコラボじゃない。これは窃盗」と批判して、「関係する3者の無礼のレベルと信じられないほどの無知ぶりには驚かされています」と語った。
ケリスが言う「3者」とは、「ミルクシェイク」をサンプリングしたビヨンセと、「ミルクシェイク」を作詞作曲プロデュースしたクリエイターとしてクレジットされているファレル・ウィリアムスとチャド・ヒューゴのことのよう。「ミルクシェイク」はグラミー賞にもノミネートされたが、ケリスはパフォーマーとしてのみクレジットされており、以前からファレルやチャドに騙されて自分に不都合な契約書にサインさせられたと主張してきた。
ケリスは、サンプリングの事実を伝えないというやり方はファレルから自分に対する「直接的な攻撃」だと見ているそうで、「彼はいつもこういうことをするんです。みみっちいんですよ」と批判。そしてビヨンセに対しては、「面識もあるし、お互いを知っているし、共通の友人もいる」なかで連絡しなかったことは「バカらしくて失礼」だったとして、「女性のエンパワメントなんていうのは、本当にやってこそ意味があるんです。もし、あなたが本当にそれを実践していると言うなら、口先だけでなく、行動で示してください」と語った。
チーム・ビヨンセが動く
ケリスからの批判が賛否両論を呼ぶなか、チームビヨンセが動いた。
ビヨンセの妹であるソランジュと、デスティニーズ・チャイルドでビヨンセと活動し、彼女の親友でもあるケリー・ローランドが、ケリスのことをインスタグラムでアンフォロー。ビヨンセからはコメントは発表されていないが、ソランジュとケリーの行動からは、ビヨンセ側がケリスの発言をどう思っているのかが伺える。
一方でコメントをスルーしているビヨンセは、「エナジー」からケリスの「ミルクシェイク」のパートをバッサリ削除。この部分を差し替えた新しいバージョンをリリースし直すという行動に出た。
こちらは、ビヨンセからの“これで終わりでいいでしょ”というメッセージだろうか?(フロントロウ編集部)