精神的・身体的虐待を告発されているシャイア・ラブーフ
シンガーのFKAツイッグスが、2020年に元恋人で俳優のシャイア・ラブーフを執拗な虐待および性的暴行で訴えた事件。ツイッグスは2018年から2019年にかけての数ヵ月をシャイアと交際しており、そのなかで脅しや暴力、性病に感染させられるなどの被害を受けたと話している。
また、シャイアの元恋人であるスタイリストのキャロリン・フォーも、身体的・精神的虐待の被害を受けていたことを証言。さらにその後、シンガーソングライターであるシーアも彼の問題行動について告発した。
シャイアの問題行動は長年有名だったことでもある。2015年には、彼が当時の恋人であるミア・ゴスに対して「こういうことが人を暴力的にさせるんだ」と怒鳴り、その後車のなかで、「あそこにいたら、彼女を殺してた」と話す様子を映した動画がリークされていた。
ツイッグスの告発を受けて、2020年に公開した声明のなかでシャイアは、「主張の内容のほとんどは事実ではありません」と主張。しかし、「誰かが自分の行動によりどう感じたかについて何かを言える立場ではありません。(中略)僕には親しい人々を傷つけてきた既往歴があります。それについて恥じており、苦痛を与えてしまった人たちには、申し訳なく思っています」とした。
シャイア・ラブーフ、現在の思いを語る
そして先日、シャイアが米ポッドキャスト番組『Real Ones』に出演。ツイッグスの名前は出さなかったが、彼女のことを指す形で現在の思いを語った。
「あの女性を傷つけました。そしてその過程のなかで他の多くの人を傷つけ、あの女性の前にも多くの人を傷つけました。私は快楽を求め、自己中心的で、自分が世界の中心で、正直でなく、思いやりがなく、ひどい人間です」と話したシャイアは、「MeToo運動の社会を見た時、責任を取っている男性は多くない。私は非常に最低なことをした。衝突し、燃え上がらせるタイプの最低なことを。多くの人を傷つけました。そのことには完全に気づいています」と続けた。さらには彼女のことを「聖人」と呼び、「私の人生に入ってきてくれて、エゴの死を経験するための道を作りだしてくれていなければ、僕は非常に平凡な存在になっていたか、死んでいた」とコメントした。
また、彼はカトリック教会のロバート・バロン司教によるYouTube対談にも出演し、告発された当初は「僕についてのこれらのことを告発したあの女性に対して非常に動揺し、非常に憤慨」していたため、「正当化し、すべてを説明したかった」と告白。しかし、「じつは今は、あの女性が私の人生を救ったと思っているんです。僕の人生にとって彼女は聖人です。僕の人生を救ってくれた。視野の変化は奇跡的だと感じます」と話した。
別の場では告発内容を否定
一方で、シャイアには別の騒動が勃発している。それは、当初は彼が出演する予定だった映画『ドント・ウォーリー・ダーリン』において、オリヴィア・ワイルド監督は彼をクビにしたと主張しているが、彼は十分なリハーサルの時間が取れないことが理由で自ら降板したと主張しているため。そして先日、彼は米Varietyで監督へ向けたオープンレターを公開。そのなかではツイッグスの名前を出し、事件についても触れているが、“報道されているようなものではない”としている。
「ツイッグスに関する私の失敗は根本的で、リアルなものです。しかし報道されているような物語ではありません。ああいったことに対処するための時と場所があり、彼女と真実への敬意を持ったうえで、ナンセンスな状況を進んでいこうとしています。そのために私は沈黙しているのです」
彼の最近の発言を見るに、シャイアは周囲の人を傷つけたということについて反省をしている様子だが、明確に暴力・虐待行為を認めるつもりかどうかは不明瞭。
裁判は2023年4月17日に行なわれる。
ちなみに彼は、2020年6月に一般男性とトラブルになり、11月に暴行罪および軽窃盗罪で起訴されていた。2021年に実刑となる代わりに、週に最低1回のセラピーとアンガーマネジメント、断酒でいるための12段階のプログラム、不定期のアルコールテストを受け、断酒確認のためのデバイス着用、権力や暴力を使わないこと、武器の不所持、被害者の100ヤード以内に近づかないこと、被害者に連絡を取らないこと、事件現場の100ヤード以内に近づかないこと、法や裁判所からの命令に従うことという指示を受けた。
(フロントロウ編集部)